
※LOVEBITESの皆様からお写真をお借りしております<(_ _)>
※「ラブバイツ」ではなく「ラヴバイツ」が正しい表記であることは重々承知しておりますが、多くの方が「ラブバイツ」で検索していることを知り「ブ」をあえて採用しております。ご了承ください<(_ _)>
※本稿には「Outstanding Tour Japan」のセットリストに関するネタバレが多数含まれます。まだご覧になっていない方は、あらかじめご了承のうえお読みください。
※長もちする仙台土産です☟
- イベント集中でホテル代暴騰!キングボンビー、3年前に倒れた因縁の仙台へ前乗り――待ち受けていたのは、やはり試練の道だった……
- 辛うじて生きて仙台GIGSへ――ここから先は盛大なネタバラシ!
- レスポールの杢目のようにヴィンテージな泣きが昭和への扉をこじ開ける!ついにベールを脱いだ「Out Of Control」が誘う郷愁の世界!
- 「The Castaway」の余韻を引き算の美学で一刀両断!イントロカットの“SSS”が放つ日本刀のような斬れ味が炸裂!
- マイナビBLITZ赤坂から7年半!圧倒的な風格をまとって帰ってきた「Epilogue」に堰を切ったように涙があふれた夜!
- 私には「The Eve Of Change」という絶対に取りに行かねばならない忘れ物が残されている――だから、まだ死ねないのであーる!
- 今週のInspire
イベント集中でホテル代暴騰!キングボンビー、3年前に倒れた因縁の仙台へ前乗り――待ち受けていたのは、やはり試練の道だった……

みなさん、こんばんは。東京は9月に入った途端、気温がいったん急降下したと思ったら、本稿を記し始めた9月14日は日中30℃超え。恐らくこんな駄文を読んでくださっている方は、同年輩か先輩だと想像しますが、くれぐれもお身体ご自愛くださいね。といいますか、こともあろうか、かく言う私が「Outstanding Tour Japan」の仙台公演直前という最悪のタイミングでやっちまいました。
もともと、仙台という土地には因縁めいたものを感じておりまして、遡ることちょうど3年前の夏ですね。2023年の「Judgement Day Tour」が終わった後、帰りの新幹線で「俺、死ぬの?」と覚悟したほど体調が悪化しまして、翌朝には点滴につながれ、約1カ月の入院生活を余儀なくされた忌まわしい過去があります。その後、2025年の「Eternal Phenomenon Tour」で厄落としを無事に済ませ、待ちに待った今回です。ただ、前乗りは中止する予定でいました。といいますのも「東北未来芸術花火2026 〜明日へのマーチ 桑田佳祐SP〜」や「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」などのイベントが重なって、仙台市内のホテルは狂ったように料金が暴騰。これは後になって地元の人から居酒屋で聴いた話ですが、こういう不景気なので「ボロホテルほど、こんな日は思い切り吹っ掛ける」のだそうです。仙台には少ないながらも遊びに来ていたので、老朽化を隠そうともしないホテルの部屋がどの程度のものなのかは理解しています。さすがにあのレベルの部屋に3万~4万円は出せない。似たような事情から、宿泊を断念された方も多いのではないでしょうか。
ところが……

きっと男性一人客の横の座席が空いたままになっていたのでしょう。なんとこんなチケットが取れてしまいました笑 おまけに、ボロボロのカプセル&サウナとはいえ、寝床を7,800円で偶然発見。急きょ、前乗りして、飲み食いを満喫することにしたわけです。いやー、めでたい。3年前のあの日、仙台で死ななくてよかった。待ってやがれ、壱弐参横丁方面。確かに年月が経って、俺はすっかり衰えてしまった。医者から煙草を止めさせられたし、酒も量を飲めなくなった。酷かった腰痛と肩こりは悪化するばかりだ。しかし、おめえには、あと2、3発やり返さないと気が済まない。今日は本気でぶっ飛ばすからな。

ちーん。これがこの日、最後の写真です。みなさん、“腰が行方不明”になるという感覚わかります? ぎっくり腰とはちょっと違って、歩くには歩けるのですが、感覚が漠然とした鈍痛しかない。日本酒の飲み放題に行って「いまひとつだったなあ」とか思って、下調べもなく入った2軒目でもイマイチを引いた後、ふらふら歩いておりましたら、意識ははっきりしているのに、下半身だけがどこかへ行っちゃいました。おまけに道に迷ってしまい、宿泊先まで道案内を頼んだチャッピーに向かってこんなことを言っていたようです。
「こしをはzした」
「現在〇〇〇のそば」
「何度も電話ひてる」
「どっちにあるけばいい?それだけ」
そして、とどめが……
「たいそう賑やかなご様子でいらっしゃいますところ、誠に恐縮でございますが御逝去遊ばせて頂ければ御幸甚に存じます」
「辿り着けない、タクシー来ない、人もいない」「ロキソニンはでっかい鞄の中」「すべてチャピ公のせい」「ポンコツ、タヒね」などと連発した挙げ句、冷静にこんなことを打った形跡が残っていました。「タクシー代1,000円返せ」と7回は打っていますね。

その後、這うようにして蜂の巣のような自分が寝るカプセルルームまで辿り着き、ロキソニン2錠を流し込んで、そのまま4時間ほど浅い眠り。そして、もったいないから、サウナに4ラウンド入って「あと2時間は眠れる」と余裕をぶっこいていたら、思い切り2時間も寝過ごしてしまい、延長料金を2,000円も払って、仙台駅のほうへ杖を買うため、トボトボ歩き出しました。店にあった杖は家にあるやつの10倍は頼りない感触なのに、5倍の値段だったため断念。どうやら、またロキソニンが切れていたようです。He is the Painkiller♪ This Is The Painkiller♪ お薬は処方箋通りに飲みましょう。最強サプリメント補充!仙台駅のドトールコーヒーでギリギリまで何とか生きる! ダメならまじ新幹線!……おじさん、あたま、だいじょうぶですか?
辛うじて生きて仙台GIGSへ――ここから先は盛大なネタバラシ!

さて、ここからは盛大にネタをバラしてしまいます。現時点でも、twitter、インスタはメンバーのもの以外、いっさい見ていないので、ほかのファンの方との温度差がわかりません。ただ、AIが人間の感情を盗むかのようにライブの感想まで書いてしまう時代。最近、どうにもこうにも、ロボット野郎がSNSで働く鬼畜の所業が気に食わない。政治・経済のデマゴーグはもちろん、広い意味での芸術や文芸に関する感想にも潜んでいるような気がしてなりません。だから、私にしか書けないことを、私にしか書けない言葉で、あえて真っ先に書いてしまいます。まだ観ていない方は絶対に読まないでください。せっかくのライブの魅力が削がれてしまいます。この点だけはくれぐれもご留意いただくよう宜しくお願い申し上げます。
あっ、そうでした。私は生きているには生きていました。「Outstanding Power」というアルバムは私のロック史におけるベスト・オブ・ベスト。どうせくたばるなら、すべてを見届けてからです。「仙台GIGS」は椅子があるので、いざとなったら座ってしまえばいいと覚悟を決め、しっかり物販に並んでピンクの仙台限定Tシャツを買って、脂汗でぐっしょりになったTシャツは着替えました。しかし、この色、どうにかならないですかね? 覚悟を決めたおじさんの死に装束としては、ポップすぎるといいますか、便所の鏡に映った太ったボサボサ頭の林家ペーさんがあまりに軽薄すぎます。そして、キーホルダーの狼。冥途の土産にはかわいらしすぎるでしょ。

では、いきましょう。まず、この日の注目点は、私の「セットリストから外れたら、グレちゃうリクエスト曲 ベスト5」がどうなるのか?でした。曲名は次のリンクに記してあります。お気に入りである「Outstanding Power」収録の5曲から何曲が披露されるのかばかりが気になっていました。Asami先生のインスタを普段からチェックしている人なら、ある程度、プレイされると読めていた曲があったはずです。例えば「Outstanding Tour EU/UK」で披露されていない楽曲では「Silence The Void」と「Phoenix Rises Again」がリリースイベント時の写真にも紐づけてあったので、この2曲は絶対にプレイされると踏んでいました。また、ヨーロッパツアーで披露された「The Castaway」「Blazing Halo」「Reaper’s Lullaby」「One Will Remain」は予定調和。しかし「Eternally」だけは例外。武道館でメガトン級のインパクトが炸裂してしまった後なので、定石通りに考えるなら今回はなしと読むのが筋です。よって、安泰は6曲だけというのが私の推理でした。
ただし、この裏を返しますと、いかに私が他人と徹底してズレているかということです。熱烈なリクエストの中に約束されている曲が一曲も入っていません。これはずっとずっと前から気付いていたことですが、「Today Is The Day」然り「Inspire」然り「Mastermind 01」然り……挙げたらキリがないほど、私の好きな曲にはライブでご無沙汰のナンバーが多過ぎます。このほか「Puppet On Strings」に至っては、未だにプレイされたこともなく、メンバーに存在をすっかり忘れられている可能性さえある。こういう日記でお願いするほど好きなのに、ライブの定番曲になっていかないというのは、なかなか切ないもんですよ。このへんが「LOVEBITESの泣き」を偏愛する人間の悲しいところです。
しかし、こういう少数派にまともに付き合っていては、ショーが盛り上がりに欠けてしまいますし、バンドの前向きで明るいキャラが崩壊してしまいます。何より、LOVEBITESは本当にクレバーです。哀愁はスタン・ハンセンのウエスタン・ラリアットのような必殺技。あの憂いは一発、二発だからこそ、矢のように胸に突き刺さる。また、1回のライブで新曲すべてを演ればいいというものでもない。今回の仙台公演が終わった後「客を長年にわたって喜ばせるためにはどうしたらよいのか?」が綿密に計算されているようにも感じられました。11月の「The Shining VOL.5」から、次回以降のツアーまで視野に入っていると感じた人は多いのではないでしょうか。要するにこれまでも長いお付き合いでしたが、これから先はもっと長いということなのでしょう。
※武道館のリクエストと結果発表笑☟


※私とセトリ☟

レスポールの杢目のようにヴィンテージな泣きが昭和への扉をこじ開ける!ついにベールを脱いだ「Out Of Control」が誘う郷愁の世界!

私の「セットリストから外れたら、グレちゃうリクエスト曲 ベスト5」は適当にチェックしていただくとして、「プレイされなかったらただの事故」とまで言い切ってしまった「Out Of Control」はやはりベールを脱ぎました。この曲はまさしく中盤の大ハイライト。記憶の限り、全曲を振り返ってみても、その存在感は圧倒的です。
なぜ、クラシックピアノをルーツとする才媛の頭脳からこういう曲が生まれるのかわかりませんが、この曲はやっぱり昭和歌謡を想起させる極上の泣き。初めて聴いた時は西城秀樹さんだったり、「ふぞろいの林檎たち」のサザンオールスターズをイメージしましたが、いずれにせよ、喚起されるのは、遠い遠い昭和ノスタルジーです。どのような職業にも当てはまるのでしょうが、優秀な人物というのは、四の五の言わず、まずスパッとラフスケッチを書いて、一発でわからせる説明力がある。MIYAKOチューンからは風景が見え、画家の画魂と言いますか、作品に込められた気持ちが自然と伝わってきます。例えば、ライブを観ていてパッと脳裏をかすめたのはこの写真です。

今の私には、こんな素敵な笑顔が逆に涙をこぼれさせるんですよ。実は仙台で入った飲み屋で、偶然、隣りに座った人と昨今の時世について喋ることになりました。やはり仙台も夜の街は薄暗くなったそうで、有名な立ち食いそば屋や定食屋の値上げなどに自然と話題は移っていきました。その方はれっきとした社長さんでしたね。「苦しい」と言っていました。「月末、久しぶりに東京なんだけど、どんな感じ?」とも聞かれました。素直に昔とはまったく変わってしまった中目黒や西麻布の夜の色を伝えました。きっと、多くの人はこうやって、かなり理不尽だったけど、それなりに優しい感触だった昭和の面影を探しているんだと思いますよ。
思うに、最近、音楽を語る時、無理やり今という時代と切り離そうとしていませんかね? もしくは、奥歯に物の挟まったような言い方になっている。私はこの日記で政治家の悪口ばかり書いているので、固有名詞は本稿では避けますが、“コロナ禍”の文脈で音楽を語ることがあっても、“2026年という忌まわしい時代に音楽を聴く意義”を語っている人は本当に少ない。それは、あまりに不自然だし、それこそLOVEBITESの音楽に救いなり、笑顔なり、束の間の恍惚感を求める行動とは、大きく矛盾しているような気がしています。
私には「先生」が別にいるので、この日記では「ぱいせん」と敬意を持って呼ばせていただいていますが、やはり、MIYAKOぱいせんは最強でしょう。問答無用、ヤルと決めて、前に出てきた時には、確実におっさんどもの心の臓をぶち抜く。確か、以前「曲の中にもうひとつ曲があるようなギターソロを書きたい」というお話があったと思いますが、この曲のギターソロはまさしく映画の回想シーンのような趣き。レスポールの杢目のようにヴィンテージな味わいで、煙草と酒でわざと汚したような洒脱さがある。我々五十代以上をターゲットにしているとしか思えない「何かをこじ開ける力」とでも言ったらよいのでしょうか。イントロでMötley Crüeの「Kickstart My Heart」をイメージする人は多いと思いますが、この曲が収録された「Dr.Feelgood」は平成元年のリリースです。ということは「Out Of Control」の始まりは昭和へのタイムスリップの入り口なのかもしれません。イントロ一発、胸キュン必至。少なくとも、この私は遠い遠いあの日に本気で帰りたくなりました。「この曲で涙?」と笑う人は笑うと思います。でも、個人的にずっと感じていたことは、ライブで観たらやはりその通りの意味合いだったと確信を得た気持ちでいます。胸が早鐘を打ち始めたのがわかったほど。とくとご覧あれ。最強の女が切り開いた新境地の哀愁をまず一曲目に猛烈にプッシュさせていただきます!
「The Castaway」の余韻を引き算の美学で一刀両断!イントロカットの“SSS”が放つ日本刀のような斬れ味が炸裂!

ただし、この日のセットリストが「全体的に硬だったか?軟だったか?」と問われれば、私は迷わず「硬」と答えます。デビュー当初、1stの「Awakening From Abyss」しかリリースされていないにも関わらず、フェスの出代の関係で落とされてしまったのは「Liar」であり「Inspire」だったことを思い出しました。当時、私は身体に不安があって、スタンディングのライブにはどうしても自信がなく、会いに行くことを自重していたので、バンドが「なぜそういう選択をしたのか」はわかりません。ただし、今ならその理由が明確に伝わってきます。オープニングを飾った「The Castaway」は不穏な時代を読み切ったような叙情派チューンの最高峰だと感じました。その風味はどっしりとした風格の中に強い甘みが薫る大吟醸のよう。まして、歌詞の内容を知っていれば、今という時代を荒れ狂う海になぞらえ、どうしても、おっさんは自分の人生を重ね合わせ、センチメンタリズムに浸ってしまいます。
しかし、オープニングからそんな悠長な時間など、まったくもってもったいない。だから、本稿では続くゴージャスなイントロをカットした「Soldier Stands Solitarily」のほうを挙げさせてもらいます。ここから始まるのは、怒涛のヘヴィメタルの連発。シンプルに言ってしまえば、度肝を抜かれました。Wacken Open Air 2026を配信で観た時の感想でも記しましたが、数秒前の余韻さえも日本刀でバッサリ斬り落とすような感覚が震えるほど素晴らしい。このイントロなしバージョンの出だしは瞬間芸のようなものではないでしょうか。確かに、清涼で優しい風味をいたずらに続けると、酒席が単調でのっぺりした場になってしまう。もう少し言うなら、これから続くショーの後半でも最高の甘みをガツンと美味しく食わせるには、キリリと締まった辛口の連発が利いてくるわけです。
足し算ではなく、装飾をぜいたくに削ぎ落とした引き算。この手法をここまで大胆に使った有名曲は、意外とすぐには思いつきません。探せばあるのでしょうが、Judas Priestの「Electric Eye」には「The Hellion」が付いてくるし、Metallicaの「Fight Fire With Fire」のアコースティック部分がカットされることもほとんどない。パッと思いつくのは、Deep Purpleの「Speed King」くらい。しかし、ノックなしでドアを開け、でっかい声で「おはようございます」は場面転換として最高の効果を生み出します。だから、スラッシーな「Silence The Void」も「Reaper’s Lullaby」もここからのヘヴィメタルな流れをナチュラルに受け止めているように聴こえる。そして、久々に飛び出した「The Apocalypse」にも唐突感がなく、スペシャルなプレゼントのように感じられました。
やたらとマッチョを気取りたがる輩が多い昨今。たまにtwitterによく知らないバンドの恥ずかしいMCの動画が流れてきますが、威勢のいい言葉を発する連中ほど、行動がハリボテで薄っぺらいのはいつの時代も同じです。ちょっと、中二病をこじらせ過ぎじゃないですかね。一方、いわゆるヘヴィメタル然としたキャラはMidoriさんが一手に引き受けているLOVEBITESは音楽趣味についてはとにかく寡黙。しかし、雑誌のインタビューで語られる創作風景や、メンバーがライブを観に行ったとtwitterなどで報告しているバンド(CryptopsyやBehemothなど)は意外なほど硬派です。純白のドレスをまとい、結果だけで語るハードボイルド然としたアティチュードは、世界の大舞台をいくつも踏んで、さらに立ってきたのではないでしょうか。そして、華美な装飾を省いた戦国武将の愛刀のように、ギラリと光った“SSS”はその象徴のように思えてなりません。
マイナビBLITZ赤坂から7年半!圧倒的な風格をまとって帰ってきた「Epilogue」に堰を切ったように涙があふれた夜!

では、ここからが本題です。実はこうやって誰に読まれるわけでもない感想文をちんたら書いている今も、腰の具合は芳しくありません。つまり、ライブの最中は感動しながらも、ずっと脂汗が止まらない状態で立っていたわけです。3年前の仙台公演の後、倒れた時のように「もう死ぬのかも」とまでは思いませんでしたが、座ってしまいたいほど重たい鈍痛というやつですね。むかし話に出てくるお爺さんが、両手を腰のあたりで組む気持ちってわかりますか? いまの私には理解できます。「もうさすがに限界かな」などと考え、自分が情けなく思えてきたところ……
……何が起ころうとしているのか、反射的にわかりました。まさに「心臓が止まるかと思った」という状態ですね。そして、気づいたら、脂汗がピタリと止まっていて、変な涙が血のようにドバドバ零れ始め、痛みがスッと引いていきました。これ、嘘じゃないっすよ。アドレナリンのようなものが出ていたのかもしれません。いずれにせよ、こんなことは人生で初めての体験です。そうっすね、「Epilogue」という曲に出会わなければ、ここまでLOVEBITESを好きになることはなかったでしょうし、五十代になっても高校や浪人時代の時のように音楽を熱心に聴いていることもなかったと思います。また、今でも寝る前には普通にかけていて、お好み曲を集めたプレイリストには必ず入れているので、必然的にジムに行く日は聴くことになります。なので、聴いた回数だけで言うなら、昭和の懐メロなんかよりも断然多く、身体にすっかり沁みついています。
そもそも、LOVEBITESがデビューしたばかりの頃、私の関心事は、読書とか、競馬とか、FXとか、まったく違った方面にあって、とっくの昔にライブ会場に行く習慣なんていうものは捨てていたんですよ。おまけに度が過ぎるほど酒と煙草が好きで、今よりずっと体調を崩しがちだった。しかし、そんなぐうたらが節制までして「アサミちゃんに会いに行ってみよう」と思ったのは、2ndの「Clockwork Immortality」がリリースされてから。つまり、マイナビBLITZ赤坂まで連れ出してくれたのは、紛れもなく「Epilogue」だったりするわけです。
まだSNSが今ほど当たり前のコミュニケーション手段ではなかったとはいえ、私にとってこういうメールをわざわざ時間をかけて書き、ラジオ番組に投稿したというのも珍しいことです。といいますのも、書いたり、編集したりする仕事に携わっていると、仕事以外で真面目な文章を書く気には、なかなかなれないものなんですよ。しかも、他人様にきちんと読んでもらう内容となると、それなりにエネルギーを使います。それでも、わざわざ書いてみようと思った動機はよく覚えています。Asami先生に感動をそれなりの長文で伝えたかったから。その一点だけです。この音声ファイルではかなり端折られていますが、当時は「ヘヴィメタルのことはあまりよく知りません」というキャラだった先生が、歌一発でオッサンどもの野次を黙らせた凛とした姿に心を打たれました。その味わいは沢の水。遠い昔まで振り返ってみても、ロックのライブで一服の清涼剤のような瑞々しい感動は初めてだったのではないでしょうか。

あれから7年半にもなりますか。当たり前ですが、Asami先生はもう武道館アーティストですし、ショーの肝心なところで意地悪をするような輩はすっかり消えました。そして、気づいたら日本のヘヴィメタル界が誇る巨匠ということです。凛とした佇まいはどこも変わりませんが、赤坂のあの日と違ったのは、過酷なワールドツアーで培われた圧倒的な風格でしょうか。Wacken Open Airに金字塔を打ち立てた歌の説得力なら、日本武道館で披露しても、ガヤなど丸ごと飲み込んで感動を巻き起こしたことでしょう。でも、年月というトッピングはズルいよなあ。プレイされるなら武道館だと勝手に念じていたというのもあります。本気で泣いちゃったじゃないですか。もう少し定期的に歌ってほしいと「Epilogue」本人も言っていると思いますよ。
まとめますね。もう少しまともな体調でも、やっぱり泣いたんでしょう。ずっと待っていた甲斐がありました。2026年9月13日の仙台は特別な夜となりました。先生、本当にありがとうございました。夢を叶えてくださったことに心より御礼申し上げます。
※赤坂の「Epilogue」のことはこちらにたくさん書いてあります☟


私には「The Eve Of Change」という絶対に取りに行かねばならない忘れ物が残されている――だから、まだ死ねないのであーる!

ちょっと短くなりましたが、まだツアーは続きますし、本稿はEpilogueとさせていただきます。一瞬「もう思い残すことはないかな……」などと思ったのですが、おいっ! 少なくとも仙台では「セットリストから外れたら、グレちゃうリクエスト曲 ベスト5」の第1位、「The Eve Of Change」はプレイされませんでした。まだ死ねないじゃん。結局、ということなんだと思いますよ。優れた楽曲をたくさん持つバンドというのは、温存・封印という“じらし技”を使うことができます。また、大御所バンドがニューアルバムを引っさげて回ったワールドツアーをいくつか思い返してみましたが、看板とは裏腹に最新作からの楽曲は意外なほど少ないんですよね。それを思えば、LOVEBITESは相当な期待に応えてくれました。それでも「まだライブで観ていない」「だいぶ昔に1回しか観たことがない」と心に引っ掛かっている楽曲がいくつもある――曲に恋させることがお上手なのでしょう。仙台GIGSの帰り、チョロオジは「ちょっとだけ座っていこう」と入った串焼き屋でホッピーで喉を潤しながらこんなことを思ったりしたわけです。
ちなみに、腰痛オジサンの次回はスタンディングの「新潟LOTS」となります。こちらは早々に前乗りを決め、かつての行きつけがあった跡地に立った居酒屋に予約まで入れているわけですが、この期に及んで「キャンセル料がもったいない」とか言っていて、まじで脳みそ大丈夫なのか? おまけにニュースでは「シルバーウイークを台風が直撃!」なんてやっています。自作自演でツーアウト満塁のピンチを作り出し、派手に踊るおもしろ舞台は整いましたので、次回に乞うご期待です。ちょっと中身に触れ過ぎてしまい、まだご覧になっていない方、申し訳ございませんでした。でも、次回はもっと書いちゃうと思います。なぜなら、3年前とは違って、まだしっかり生きているから。じゃ、こんな感じです。最後は「Epilogue」に代えてあえてこの曲を貼りますね。「暴君が支配していた場所に灰が降れ」――では、ごきげんよう、ばいちゃでやんす。
※「The Eve Of Change」☟



※「Out Of Control」☟


※「Forbidden Thirst」☟


※「Dream Of King」☟


※「Wheels On Fire」☟


※「The Cataway」☟

※「The Reaper’s Lullaby」☟

※「Eternally」☟


今週のInspire

今週のInspireのお時間となりました。これでもかなり書くのを控えたほうなのですが、決定的なことをだいぶバラしてしまいました。改めまして、まだご覧になっていないのに、間違って読まれてしまった方がいましたらごめんなさい。でも、たまにはネット、とりわけSNSから少し距離を置いたほうがいいと思うんですよね。仙台から帰ってきて、ニュースにかなり驚きました。あえて、どのニュースとは言いませんが、まずは自分の目でその人のことを見て、話をよく聞き、それが何を意味するのか、じっくり考えることが大切なんだと思います。まあ、本稿なんて市井のただのおじさんが、自分の目で見て感じたことを書いているだけです。
ひょっとして次はまさかの「Inspire」? こういう言葉は願望とか夢想といいます。決して可能性と「≒」ではありません。 何はともあれ、今回は「Epilogue」がプレイされて、めでたし、めでたしということで。




