🤖【週末営業店含む】U字工事の蕎麦愛に尊敬の念を込めて贈る都営浅草線 立ち食いそばの旅!福田クン、お互い血圧には気を付けて春菊天を食らい、つゆを啜り続けよう!「おらの立ち食いそば」略して「おらそば」2023年 都営浅草線ベスト5発表!

Ad
Ad
Ad
Ad
Ad
おっさんの飯
Ad
Ad
Ad
Ad

本稿は2023年9月に入院していた時から書き始め、2023年10月初旬にアップした都営浅草線のレポートの改稿となります。あの頃からだいぶ閉店がありましたし、逆に閉まっていた店が復活するなど、うれしいニュースもありました。そこで、部分的に大幅に改稿いたしまして、あらためてお届けします。

なお、AIが読み上げているのが、私の都営浅草線沿線の2023年ベスト5となります。立ち食いそば巡りのガイドとしてお役立てください。


























Ad
  1. 【浅草橋】どこの駅から行くと近いのか?漆黒のつゆは「天ぷらがあってこそ」!U字工事が教えてくれた東京随一のゲソ天を堪能するため「川一」へ行ってきたよ
  2. 【浅草橋】こんな漆黒を飲んだことがあるか?デスメタルのように暴力的で、ゴシックメタルのように闇は深い!これはしょっからいべ。立ち食いそば業界ぶっちぎりの暗黒の帝王が「野むら」であーる!
  3. 【浅草橋】ガード下に生き続ける「米は持ち込み自由」の重鎮!抜群の自家製麺も、香るつゆも、天ぷらのあの衣も不変の「ひさご」
  4. 【浅草橋】闇に覆われた問屋街に光る日本橋系の上品さ!夜は揚げ物居酒屋に変貌する「きらく蕎麦 おがわ」はかき揚げが文句なしに美味いぞ!
  5. 【東日本橋】これが駅構内の味なのだから恐れ入る!浅草演芸場に通勤するU字工事のチョイスに敬意を表して「文殊」は馬喰横山店をチョイスしました
  6. 【東日本橋】漆黒のつゆによく合う太めの麺と分厚い天ぷら!ラーメンで有名な製麺所直営の「みまつ」は、お母さんとお姉さんの丁寧な仕事が愛を感じさせるぞ!
  7. 【東日本橋】時代錯誤な男でいたい!「そば千」は天ぷらの分厚い衣を甘めの東京ブラックに溶かしながら食らう喜びを思い出させてくれる!
  8. 【東日本橋】都営浅草線沿線どころか、都内でも屈指の美味さ!立ち食いの領域を超えた芸術そばが食べられる「あり賀せいろう」
  9. 【人形町】都営浅草線を代表する名店!本枯本節が薫るつゆ、腰がある細めの麺、衣の薄い上品な天ぷら…「福そば」はまさに立ち食いそばの手本!
  10. 【人形町】これが毎回、小伝馬町まで歩く理由でした!旧態依然たる立ち食いそばに真っ向勝負を挑む高級路線と本格カレーで有名な「田そば」が閉店とのことです…
  11. 【人形町】庶民的であることを守りながら上品さを追求するセンス・オブ・ソバ!スパイシーでとろみのあるカレーも光る!これからの小伝馬町は「おか田」の一択!
  12. 【日本橋】タモリが「日本一美味い立ち食いそば」とまで言った本物の味!有吉も正直さんぽでべた褒めしていた鰹節問屋の直営店「そばよし」!
  13. 【日本橋】日本橋の二大巨頭の一角にして、インド風カレーと豊富な天ぷらの種類で名声を博す名店!「よもだそば」はできれば本店で食らうべし!
  14. 【日本橋】抜群のコストパフォーマンスを誇る「亀島」は味もハイレベル!出汁のきいた東京ブラックに腰のしっかりした麺という王道を堪能したければ、少し歩いて茅場町まで足を運ぶべし!
  15. 【宝町】U字工事の益子クン推薦!ぶっとく腰の強い太そばをガシガシ食らいながら、王道の漆黒を飲み干す喜び!ゲソ天で有名な「そばのスエヒロ」はいつも客が肩寄せ合っているほどの人気だぞ!
  16. 【宝町】本格的なもりそばを低価格でボリューム満点に食べられる!店内がメタルで彩られた「恵み屋」は立地を考えると、あり得ないコスパの良さ!
  17. 【新橋】U字工事も推す舞茸天そばは昼過ぎに行くと売り切れていることも!汐留帰りのタレント御用達の「おくとね」は大盛り60円がちょうどいい!
  18. 【新橋】創業は昭和59年!オッサンたちの思い出が詰まった東京ブラック!インドカレーが美味いニュー新橋ビルの顔「丹波屋」は永遠に不滅なのです!
  19. 新橋の「うさぎや」が帰ってきた!味はどこも変わらず、お父さんも元気でした!
  20. 【大門】上品に啜る感じの十割そば、最後の一滴までいけるつゆ、完全揚げたての天ぷら!「かんだ 冨そば」はそば食いのためにある名店だ!
  21. 【大門】まじめ過ぎる人柄が表れたそば、きれいに透き通ったつゆ、工夫のある天ぷらも美味い!「蕎麦たつ」が2024年7月に閉まってしまうので急げ!
  22. 【三田】港区の重鎮にして都内屈指の名店「à la麓屋」!石臼挽き蕎麦だけでも美味く、フレンチ出身のマスターが生み出す創作メニューは絶品だ!
  23. 【三田】ドトールしか生き残っていないという駅チカで20年以上!どれだけ近隣の店が潰れようとも生き続ける「一心たすけ」は真の実力者だ!
  24. 【中延】東急沿線の立ち食いそば屋がほぼ全て消える中、学生からお年寄りにまで愛される老舗中の老舗。「大和屋」は東急沿線の住民の誇りである!
  25. 【中延】東京ブラックの代名詞「六文そば」も全盛期に比べると店舗数が減っているのだそうな。げそ天は変わらず美味い!毎朝6時からやっている便利さだけでも稀少です!
  26. 【西馬込】ほぼ食事をする場所がない大田区の辺境にあるサービス満点の店!地元民が愛す「そば太田」が都営浅草線立ち食いそばの旅の終着点です!

【浅草橋】どこの駅から行くと近いのか?漆黒のつゆは「天ぷらがあってこそ」!U字工事が教えてくれた東京随一のゲソ天を堪能するため「川一」へ行ってきたよ

さて、ナチュラルボーンに世間ずれしている私が入院生活でハマってしまったのが、立ち食いそばをひたすら食らうYouTubeチャンネルです。令和になっても病院食は病院食。味の濃い薄い以前に、とにかく不味いのです。そのため、黙々と麺を啜り、天ぷらをびしゃびしゃに浸して食らい、熱く黒いつゆを音を立てて飲み干す動画を見る度に「人間として根源的な生きる喜びを謳歌したい」という思いを強くした訳です。

特に共感したのが、U字工事のおふたりでしょうか。漆黒の美学を重んじ、春菊天を愛する福田クンのチョイスや、益子クンの食べている時の表情から、立ち食いそばへの深い愛が伝わってきて、とにかく娑婆に出たら食べたくなりました。確かに、私は小腹が空くと、行く先々で立ち食いそばをよく食べます。しかし、別の目的があってその場所へ出向く訳で、そばのためにわざわざ出掛けることはごく稀です。ところが、ひと月ほどいた病院の飯が生まれてからベスト3に入るほどマズかった…。これには体調に加えて、濃い味にやたらと憧れを覚え、味覚が狂ってしまったと錯覚したほどです。

くーっ、真黒いつゆだけでいいから飲みてえ。別にただの立ち食いそばですから、美味いものはもっとありますし、退院後にふさわしいかと問われれば、できればのんびり座って食べたい。しかし、点滴につながれていた時の私は、ガシガシとジャンクな麺を食らい、汗を流しながら汁を啜る原始的な喜びを、立ち食いと呼ばれる店で堪能したかった。そんな訳で娑婆に出てから1週間後、この店のためにわざわざ行ってきましたよ。「川一」さんです。

まず食った感想ですが、ズキューンですね。これが益子クンが食べていた「いかそば」です。味はかなりしょっからいです。出汁うんぬん以前にしょっからいが来ます。入院中、看護師さんとの「普段から血圧は高めですか?そんなことない?どうしたんですかねえ?気を付けましょうね」というやりとりが思い出されるほど、インパクトがあります。見てください、この墨汁のような漆黒を。かの有名な六文そばあたりは、まったく敵ではない。都内でも屈指の闇です。

しかし、注目は天ぷらとの相性です。このげそ天はなかなか出会えないトップクラスの美味さ。げそが柔らかくて、衣も厚過ぎず、色も東京ブラックとコントラストをなすように美麗。そして、これをつゆに浸しながら食べる訳です。確かにこの店でかけそばを頼んだらキツいと思いますが、天ぷらの衣が溶けるごとにマイルドになります。なにせ、麺そのものが美味い。「真っ黒、真っ黒」と色についてばかり言われるので、半信半疑でしたが、このつゆは「天ぷらがあってこそ」です。関東の黒い美学で育った私は大満足でした。

あと、後日、この暗黒汁は肉そばで食べても美味しいことが判明しました。そのへんのスーパーで市販されているしゃぶしゃぶ用の豚バラ肉を乗せただけですが、こうやって食べるとちょうどいい塩加減です。また、きくらげとの相性も抜群で、血圧が高めの人にはぜひオススメしたい!この組み合わせは最強かもしれません。この日は浅草橋から歩きましたが、営業は平日のみで14時までかあ。時間がもっと自由であればきっと通っていること間違いなしの名店です。

【川一】

東京都台東区台東1-2-7

月~金:7:00~14:00 定休日:土・日・祝

※ネットに出ている営業時間はU字工事のYouTubeとだいぶ異なります。念のため、お店にご確認ください。


























【浅草橋】こんな漆黒を飲んだことがあるか?デスメタルのように暴力的で、ゴシックメタルのように闇は深い!これはしょっからいべ。立ち食いそば業界ぶっちぎりの暗黒の帝王が「野むら」であーる!

「川一」の創業は先代の昭和51年にまで遡るのだとか。わかりづらい場所でひっそりやっていますが、その影響力は闇組織のボスくらい強いようです。近隣の店は暗黒の美学に魅せられてしまったらしく、漏れなく、みんな黒いということが判明しました。そこで、ネットで見付けた写真の中でダントツに黒い店を試してみることにしました。

こちら「野むら」さん。見てください、この天ぷらとのコントラスト!私が過去に体験した中でも、過去最高レベルの黒で、味は尖りまくっている。出汁もへったくれもなく、しょっからい味を通り越して、喉を焼きます。思い切り客を選ぶ味で、まろやかさの真逆を行く威勢の良さ。噴き出す己の汗がひたすら尊い!

麺はこちら。つゆの黒に染まったのか?…と思ったら「音威子府そば」というやつなのだとか。これはなかなか美味いです。遠い昔の東京ブラックにはこんな味が多く、ジャリ銭を握りしめたニキビ面の高校生は地元の駅で丼の底が見えるまで、つゆを飲んでいた訳です。血圧高めの人はご注意いただきたいですが、昔から関東のそばを食べる習慣があった四十代後半以降の方には、ぜひ試してほしい。デスメタルのように暴力的で、ゴシックメタルのような闇に包まれる!立食いそば界の頂点に君臨する暗黒の帝王!恐らく、思い出以上に激烈な味があるはずです。

【野むら】

東京都台東区浅草橋5-20-8 CSタワー 1階

月~金:9:00~14:00 定休日:土・日・祝

※営業時間が変更になっています。


























【浅草橋】ガード下に生き続ける「米は持ち込み自由」の重鎮!抜群の自家製麺も、香るつゆも、天ぷらのあの衣も不変の「ひさご」

さて、穏やかな味?がほしくなってきました。その昔、私は大江戸線の蔵前の駅を使っていたり、仕事でも縁があったので、浅草橋のガード下では昼からよく飲んでいました。駅を降りてすぐに本屋があった時代のこと。そういう縁もあって、ラーメンばかり食べていた二十代前半から「ひさご」にはよく行ったものです。ご無沙汰していましたが、今回久しぶりに訪れたところ、横には「インチキを売ってます」丸出しの石コロ屋まで未だ残っていました。

昔からひさごはいつ入っても、変わらぬ味でホッとします。自家製麺にふわっと香るかつお出汁とか、ありきたりな表現しか思い浮かびませんが、要はそんなに黒くなく、オーソドックスに美味いです。あと有名なのは天ぷらそばの衣でしょう。いったい何が具なのかわかりませんが、結局「どん兵衛のあと乗せサクサク」みたいなもんでしょう。この時世にあって、380円というあり得ない値段もうれしい。私はいつからか、頼むのは天ぷらそばです。若い頃はわかめそばにちくわ天を乗っけたりして楽しんでいたので、ご興味がある方は試してみてください。山菜そばもあったはずです。すぐ近所にあの「文殊」ができても、まるで関係なし。問屋街・浅草橋のガード下には1000%衣の天ぷらありです!

【ひさご】

東京都台東区浅草橋1-17-2 JR浅草橋駅ガード下

営業時間:6:30~18:30頃
定休日:土・日・祝


























【浅草橋】闇に覆われた問屋街に光る日本橋系の上品さ!夜は揚げ物居酒屋に変貌する「きらく蕎麦 おがわ」はかき揚げが文句なしに美味いぞ!

やたら「黒い」といわれる浅草橋界隈の立ち食いそばですが、思い切り上品な店もあります。駅を出てから30秒のところに、こんな美味い店があったのかいな。喫茶店みたいな外観だし、まるで気付きませんでした。「きらく蕎麦 おがわ」はまったく黒くないですし、茹でたての細麺にも腰がある。どちらかというと、日本橋界隈にあってもおかしくない味で、びっくりしました。「腹もいっぱいだし、帰るかなあ」と思っていたところなので、スルーせずに入ってよかったです。

よくよく聞いてみたら、夜は串揚げ居酒屋に変わる二毛作スタイルでやっているのだとか。こりゃ、道理でかきあげが美味いはずです。薄い衣がカラっとサクサク。全部溶かして食べるより、半分くらいは揚げたてを食べたい感じです。東京ブラックな美学を追求する浅草橋の旅では、一番身体に優しかったことは間違いないです。決して没個性ではなく、少なくともつゆと天ぷらにはオリジナリティがある!以上、U字工事師匠がうろついているといわれる浅草橋界隈からは以上となります。

【きらく蕎麦 おがわ】.tokyo

東京都台東区浅草橋1-9-11

月~金:7:00~9:00/11:00~15:00(立ち食いそば)17:00~22:30(串揚げ居酒屋)
定休日: 土・日・祝


























【東日本橋】これが駅構内の味なのだから恐れ入る!浅草演芸場に通勤するU字工事のチョイスに敬意を表して「文殊」は馬喰横山店をチョイスしました

さて、東日本橋に行きましょう。「文殊」は千葉・埼玉方面にまで出店しているらしく、9店舗もあるほど世間の認知度が進んだでようです。もともとホテルマンのやり手社長が、両国の本店から出発させ、都営浅草線の東日本橋駅と連結した馬喰横山駅の改札横や、浅草橋のガード下など、好立地の物件にこだわり続けてきたことが成功の要因とされています。しかし、よほど美味くなければ、コロナ禍後も店舗を減らしていないというのは、なかなかできない芸当でしょう。自家製の細麺、鰹だしの利いたつゆなど、どの店舗で食べても、味のばらつきはさほどないし、細麺好きは最寄りの駅にできたらオヤツ感覚で通うと思います。

文殊の蘊蓄をいくつか披露しますと、U字工事のYouTubeで紹介されているのは馬喰横山店。上野などにある「元長」は文殊と関係があるのだとか。また、都営浅草線の浅草駅を出た“あの怪しげな”地下街にもあって、外国人観光客が慣れない手つきで食べているのは面白い光景です。あと、客の回転が早いので、天ぷらはこのように揚げ置かれていても、冷め切っていることはほぼありません。個人的には、いわゆるチェーン展開している店の中ではナンバー1、2を争う鉄板ブランドだと思うのですが、皆さんはどうでしょう。

文殊 浅草橋店

ちなみに、私は行く店がU字工事とかなり被ります。といいますか、東京の立ち食いそばの名店は、顔ぶれが十年以上経っても変わらないから仕方ないでしょう。例えば、椎名町の「南天」、西日暮里の「一由そば」、牛込柳町の「白河そば」などは、とっくに殿堂入りのはずなのに、テレビや雑誌の企画では必ずピックアップされます。何より、都営浅草線は立ち食いそばのシルクロードといっても過言ではありません。よって、これからご紹介する店には、おふたりが通っている店が数軒登場しますのでご了承ください。

【文殊 馬喰横山店】

中央区日本橋横山町4-13(都営新宿線・馬喰横山駅改札外)

月~金:6:30~23:00
土・日・祝:7:00~21:00

 


























【東日本橋】漆黒のつゆによく合う太めの麺と分厚い天ぷら!ラーメンで有名な製麺所直営の「みまつ」は、お母さんとお姉さんの丁寧な仕事が愛を感じさせるぞ!

ところで、東日本橋という駅はどこへ行くためにあるのか?私は未だに疑問なのであります。先述の通り、馬喰横山駅とつながっているし、駅周辺を歩いていると、小伝馬町、馬喰町、東神田など、別の駅名の住所にすぐ着いてしまう。駅名と住所が合致しているのは、三松製麺が経営する老舗「みまつ」くらいでしょうか。この店はザ東日本橋な住所で、なんと地上に出て1分ほどで着きます。客の半数近くがラーメンに天ぷらを放り込んで食べていることは有名で、こんな光景を見ていた一見さんはミイラになる…それでも、私はやっぱこの店のそばが好きなのです。

かつお出汁が強い東京ブラックに合う太めの麺!分厚い天ぷらの衣を濡らし、ブヨブヨにしながら食う。これぞ、関東の立ち食いそばの醍醐味です。昼過ぎに訪れたこの日は名物のげそ天が売り切れ。当たり前でしょう。みまつは天ぷらそばが美味いのです。午前はお姉さん、午後はお母さんがワンオペで回している時間帯もあって、仕事は優しく実に丁寧。個人的なオススメは春菊天。猛暑の影響で食べられない時期もありましたが、今は当然、大丈夫です。

【みまつ】

東京都中央区東日本橋3-5-9

月~金:6:30~15:00

定休日:土・日・祝


























【東日本橋】時代錯誤な男でいたい!「そば千」は天ぷらの分厚い衣を甘めの東京ブラックに溶かしながら食らう喜びを思い出させてくれる!

この時世、かき揚げそばを450円で出している店は良心的だと思います。「そば千」は東京の立ち食いそばを地で行く懐かしい味。味が想像できるほどの黒いつゆに柔らかめの麺、しっかり厚い衣の天ぷらに昭和を感じます。名物はあみ天(小エビに似た甲殻類のおきあみの天ぷら)。げそ天を食べている人も多いです。でも、私はこの麺とつゆに合うのは、かき揚げだと思います。思い切り客を選ぶテイストで、若い人にはあまり勧められませんが、例えば、30年くらい前の上野駅構内で駅そばを利用していた方などには響くはず。実際、ことし偶然のれんをくぐった私は、以降2回も来店しています。この郷愁の味は近くにあるようでいて、なかなか巡り合えないという訳です。

【そば千】

東京都千代田区東神田1-17-4三協ビル1F

月~金:3:00~19:00 土:3:00~13:00

定休日:日・祝日・第1土


























【東日本橋】都営浅草線沿線どころか、都内でも屈指の美味さ!立ち食いの領域を超えた芸術そばが食べられる「あり賀せいろう」

退院後、すっかり落ちてしまった体力を取り戻すため、東日本橋駅から秋葉原や浅草橋、神田などへ足を延ばし、脚力を鍛えていたところ、偶然、素晴らしい店と出会いを果たしてしまいました!「あり賀せいろう」は立ち食いそばの次元に留まらないどころか、三田の「à la麓屋」、次にピックアップした「福そば」にヒケを取らない、いや、それ以上と言える名店かもしれません。

とにかく、細いのに腰があって、しっかり食べている感覚が得られる自家製麺の弾力が美味い。温蕎麦でも風味が感じられ、まずここが100点。次につゆ。写真を見てもらえばわかるように、まさしく琥珀色です。しっかりした麺を受け止めるにふさわしい出汁香る感じで、これもパーフェクト。いわゆる甘めの東京ブラックが多いこのエリアにあって、かえしが甘さを抑えている点がポイント。玉ねぎのかき揚げそばを食べると、より美味さがわかると思います。

何より食を芸術の域まで高めているのが、天ぷらです。かき揚げと春菊の2種類ですが、なんと揚げたての天ぷらが放つ熱で、つゆが熱くなって、なかなか冷めないほどです。しかも、食べるのを躊躇していると、衣がほどけるように溶けてしまうのです。これぞ、職人のマジック!ほかでは、肉そばも文句なしに美味かった。カレーと肉丼も美味いという情報を常連さんから聞いています。しばらく通い続けて、この店の奥深さをお伝えできたらと思っています。昼時は並ぶかもしれませんが、とにかく、そば好きなら一度は食べておきたい名店です!

【そば処 あり賀せいろう】

東京都中央区日本橋富沢町14-4

月~金:7:30~9:30/11:20~17:00

定休日:土・日・祝

 


























【人形町】都営浅草線を代表する名店!本枯本節が薫るつゆ、腰がある細めの麺、衣の薄い上品な天ぷら…「福そば」はまさに立ち食いそばの手本!

都営浅草線といえば、人形町の「福そば」というくらい、勤め人時代から定期的に食べてきたように思います。開業は意外に遅く2009年とのこと。和食を目指して来日した中国人のユンさんが開いたというのは有名な話です。当時、立ち食いそばは「真っ黒のツユに入ったボソボソの麺を相応の値段で食う」ものから、旧態依然たる姿を脱して「本格的かつ上品な美味さで勝負する」時代に突入したと記憶しています。しかし、いわゆる創作そばを除けば、まだまだ美味しい店は少なかった。なので、初めて福そばを食べた時は一発でとりこになりました。

2年物の本枯本節が薫るつゆはひたすら上品で、かえしもいい。細めの麺は腰があってのど越しが超一流のソレです。そして、ここは何といっても天ぷらです。例えば、紅しょうが天が苦手な人はぜひ試してほしい。ジャンクな天ぷらの代名詞がカラっと揚げられ、サクっと品良く食べられます。水道光熱費と原材料の暴騰にも負けず、天ぷらそば580円+追加天ぷら180円+大盛り120円は企業努力以外の何物でもないでしょ。それにしても、この界隈は仕事でよく歩いたなあ。私にとって、福そばは永遠なのであります。

【福そば】

中央区日本橋人形町1-16-3

月~金: 6:15~20:30  

土・祝 :6:15~16:00

定休日:日 

※2023年10月21日土曜日は閉まっていました。コロナ禍を経て、定休日、営業時間が変わっている可能性があります。土曜・祝日に足を運ぶ場合はお店にご確認ください。

 


























【人形町】これが毎回、小伝馬町まで歩く理由でした!旧態依然たる立ち食いそばに真っ向勝負を挑む高級路線と本格カレーで有名な「田そば」が閉店とのことです…

さて、人形町に来て「福そば」を啜ると、私は何かに憑りつかれたように小伝馬町に寄ってしまうのです。これはかなり昔からの習性。小伝馬町の交差点は一直線に歩いて7、8分程度。はしごを織り込んで大盛りを止めておけば、もう一杯食べたくなるのに最適な距離。既になくなった店も多いですが、今もお気に入りが残っています。ところが、つい先日、また悲報が飛び込んできました……。

なんと「田そば」が2023年10月31日をもって閉店という信じられないニュースです。メディアにも露出が多かったように、まさかのまさか。木桶仕込みの醤油と本枯節のツユはいわゆる鼻孔をくすぐる薫り高いというやつで、国産石臼挽きの麺も腰があって文句なしに美味い(純国産二八に変更はプラス180円)。スパイスに凝ったカレーはそば屋のレベルではなく、下手な専門店で食うなら、ここで食べることを勧めたいくらい。それくらい保証できる店です。

ネックは値段だったのかなあ?…天ぷらそば820円、カレー900円は駅を出て、すぐの交差点という好立地を考えれば仕方ないと思うのですが、一般的に考えると高いのも事実。私のいつもの組み合わせは天ぷらそば&ミニカレー450円。でも、最後くらい普通のカレーを頼んで、そばも大盛りにするかなあ。残念でなりません。時世は業界に逆風、我々、客の財布も大不況です。それでも、これだけの店。いつかどこかで復活することを願っています。

【田そば】

中央区日本橋小伝馬町3-7

月~金:6:00〜9:00、11:30〜15:00 定休日:土、日、祝

 


























【人形町】庶民的であることを守りながら上品さを追求するセンス・オブ・ソバ!スパイシーでとろみのあるカレーも光る!これからの小伝馬町は「おか田」の一択!

「田そば」がなくなるとなると、現在の小伝馬町の交差点近辺でオススメは「そば処 おか田」ということになります。こちらは庶民的でありながら、味が上品で丁寧な仕事が伝わってきます。まず、注文してから茹でる麺が抜群に美味い!つゆも角がなく、まろやかで、自慢の薫りが鼻孔をくすぐる。また、カレーも文句なし!いわゆるそば屋のカレー寄りではありますが、それでは済ませられないスパイシーさと味の深みがある。最近、しゃばしゃばのインドカレーに走る立ち食いそばが多い中、この味は実に貴重。単品で食べている人の気持ちがよくわかります。

ちなみに、この日の天ぷらはアスパラと春菊。季節ものなど、種類が豊富で、その日の大きな興味です。天ぷらを別皿にするかどうかや、天ぷらとの兼ね合いで、たぬきの量をどれくらいにするか、きっちり聞いてくれるなど、細やかな接客もポイント大。好かれる理由がわかる店で、家の近所にあれば、最低でも週3で通うこと間違いなしです。

【そば処 おか田】

中央区日本橋小伝馬町13-6 1F

月~金:7:00~9:00、11:00~14:00

定休日:土・日・祝


























【日本橋】タモリが「日本一美味い立ち食いそば」とまで言った本物の味!有吉も正直さんぽでべた褒めしていた鰹節問屋の直営店「そばよし」!

もう日本橋駅がきてしまいました。都営浅草線の華とも言えるこの駅の界隈を得意げに話すことはまあまあ恥ずかしい。というのも、有吉くんの「正直さんぽ」を筆頭に、街ぶらロケと昼のバラエティでこすられ続けており、YouTubeにもテレビの録画がいくつか上がっていました。また、近隣に勤めたこともないので、美味い立ち食いの代名詞である「そばよし」と「よもだそば」くらいしか知らない訳です。結局、この二大名店によって「立ち食いそばには高級店顔負けの本格的な味もある」という事実が浸透し、20年ほど前にブームがきたのではないでしょうか。

個人的には「そばよし」派。「鰹節問屋が直営でつゆは無化調」「タモリがブラタモリで『日本一美味い立ち食いそば』と言った」などの蘊蓄はぐるなびの通り。「腰がない」といわれる麺も他店を考えれば大満足だし、この指摘は有名税に過ぎないと思います。衣が薄く、品のある天ぷらは何を食べてもハズレがない。あとは、鰹節を作る時に出る「粉」をかけ、醤油を数滴垂らして食うライスでしょう。この粉はライスを頼む者の特権であり、そばに振っても美味い。そして「鰹節問屋が営む店のそばは、どこを味わったらいいのか?」に対する答えのようにも感じられます。ちなみに、ここのカレーは有名で、うどんも美味いのだとか。結果、食べすぎている人はカレーうどんを頼むらしいです。

【そばよし】

中央区日本橋本町1-1-7 本町山崎ビル 1F

月~金:7:30~20:00

定休日:土・日・祝


























【日本橋】日本橋の二大巨頭の一角にして、インド風カレーと豊富な天ぷらの種類で名声を博す名店!「よもだそば」はできれば本店で食らうべし!

もちろん、どちらか選べと言われれば「そばよし」を選ぶだけで「よもだそば」も大好きです。つゆの角が「そばよし」より微妙に尖っているように感じられますが、素人の粗探しレベルの指摘。麺は腰がしっかりしていて、食い応えがある。「岩下の新生姜天」など、この店ならではの主張の強い天ぷらも種類豊富で美味い。猛暑に泣かされたこの夏も、無事にサクっと揚がった春菊天が食べられました。

また、こちらで絶対に頼みたいのがインド風カレー。昨今の立ち食いそば屋はシャバシャバのインドカレーが当たり前になっていますが、その先駆けというか、火付け役はこのハイクオリティな一杯だったかと。そばのつゆの甘さを味わった後、カレーを口にすると、スパイシーさがグッと引き立ちます。また、逆も然りで、つゆの美味さがガツンとくるのが面白いです。

ところで、続々とチェーン展開していることには、ちょっと否定的。銀座店で食べた時、カレーは同じ味でも、麺の茹で具合からして、そばが本店より味が落ちるように感じられたからです。ファンとしては、初めて食べた人に「この程度」と思われるのはちょっと癪です。これ以上は手を広げず、今の味を守ってもらいたいなあ…というのが素直な思いです。

 

【よもだそば】

中央区日本橋2-1-20

月~金:7:00~22:00
土・日・祝:10:00~15:00

 


























日本橋系について☟

【日本橋】抜群のコストパフォーマンスを誇る「亀島」は味もハイレベル!出汁のきいた東京ブラックに腰のしっかりした麺という王道を堪能したければ、少し歩いて茅場町まで足を運ぶべし!

こんなふうに日本橋は手垢がついた有名店しか知らないので、目と鼻の先にある茅場町の「亀島」をピックアップしておきます。ここは店の佇まいからしてザ・立ち食いで、値段もかき揚げそば450円を守り続ける良心的な店です。大盛りはプラス150円で麺2玉。出汁が印象的なつゆは黒めでありながら、品のある出汁がしっかりしていて、食べ応えがある腰のある細麺を受け止めるのにふさわしい。衣の厚い天ぷらもさほど重くなく、凡百の同系統とは一線を画す味わいです。関東人の好みのいいとこ取りで、食べ続けて飽きない味。抜群のコストパフォーマンスが嬉しいです。褒め過ぎですか?いわゆる東京ブラックの一級品を存分に堪能できると思いますよ。

【亀島】

東京都中央区日本橋茅場町1-14-2₋1F

月~金:7:00~20:00 土・祝:7:00~15:00

定休日:日


























【宝町】U字工事の益子クン推薦!ぶっとく腰の強い太そばをガシガシ食らいながら、王道の漆黒を飲み干す喜び!ゲソ天で有名な「そばのスエヒロ」はいつも客が肩寄せ合っているほどの人気だぞ!

東京の立ち食いそばには「太そば」なる田舎風の麺にチェンジできる店があります。西日暮里の「一由そば」、駒込の「一〇そば」などが有名どころだと思います。これは製麺所の茹で麺を使っていても、かなり麺にこだわっている証拠。都営浅草線で言うと、宝町の「そばのスエヒロ」が広く知られています。YouTubeで「東京 太そば」「東京 田舎そば」で検索をかけると、この店がズラリと出てくるほどで、もちろん、U字工事も食べていました。

たまにゴムのような麺に出くわすので「太そば盲信」には懐疑的ですが、スエヒロはU字工事の益子クンが強く推薦するように、腰が強い太そばの典型。「ガシガシしててうめえ」という表現は言い得て妙でしょう。もちろん、どっしりしたつゆは麺に負けておらず、福田クンの言うところの「中毒性が高い」味に蕎麦好きなら間違いなくハマります。

天ぷらは半分くらいの人が頼んでいるゲソ天が定番。異様にデカいイカは食い応え満点です。ジャンボゲソ天もあります。そして、うれしいのが天ぷらのハーフがあるところ。この安さですので、ハーフにする必要はないですが、天ぷら3種類、4種類乗せにしても財布に優しい訳です。ちなみに、スエヒロの店内はめちゃくちゃ狭く、朝早くからいつも誰かが並んでいます。ササっと食べて、速攻で出るのが、立ち食いそばを嗜む者の流儀ということでしょう。

 

【そばのスエヒロ】

東京都中央区八丁堀4-2-1

月:5:30~14:00 火~土:3:00~14:00

定休日:日


























スエヒロと争うげそ天が美味い店について☟

【宝町】本格的なもりそばを低価格でボリューム満点に食べられる!店内がメタルで彩られた「恵み屋」は立地を考えると、あり得ないコスパの良さ!

宝町は八丁堀であり、京橋であり、ほぼ銀座一丁目なので、探せばまだまだあると思いますが、ロックファンにオススメしたいのが「恵み屋」。店内で発見したのKISSのフィギュアとIronMaiden、DreamTheaterなどのDVD。その日は古いHeartの映像が流れていました。ちなみに、写真は恵み蕎麦(500円)の大盛り(+150円)。立地を考えると、この値段でこの味はかなり安い!つけ汁の種類が選べて「ダッタン蕎麦」や「田舎蕎麦」という名の太蕎麦もありました。この日が初めてでしたが、いわゆる大当たりですね。通うほどに発見がありそうな店で、注文は食べ慣れた人に倣うべきでした。これから、じっくりと深掘りしてみようと思います。

【恵み屋】

東京都中央区京橋3-4-3

月~金:11:00~15:00(売り切れ次第終了)

定休日:土、日、祝


























【新橋】U字工事も推す舞茸天そばは昼過ぎに行くと売り切れていることも!汐留帰りのタレント御用達の「おくとね」は大盛り60円がちょうどいい!

新橋の汐留側には新橋駅前ビルという便利な存在があって、それこそ朝10時過ぎから飲めたりします。ビルを入ってすぐ右側には串揚げの「へそ」、確か鰻屋も2軒あったはずです。何故こんなことを知っているのかと言うと、改札を出て、このビルに最も近いのが都営浅草線だから。長年、この路線を使っていると、無意識のうちに新橋駅前ビルの地下1Fについて詳しくなってしまいます。

そして、この地で不動の地位を築いているのが「おくとね」。U字工事も昔話をしているように、仕事にせよ、ギャンブルにせよ、酒の〆にせよ、汐留界隈に一定期間、通ったことがあれば、大概の人は一度は食べているはず。そして、疎遠になってしまっても、舞茸天そば(写真は+玉子50円舞茸天玉そば)の魅力に憑りつかれ、定期的に訪れるようになる訳です。なお、大半の人の目的はこれだと思いますが、昼過ぎにいくと、かなりの頻度で売り切れていることが多いので要注意です。

インスタを見たらすごい数の写真が上がっているように、インパクトのある見た目ですが、実際はせんべいのように薄く、ペロッといけちゃいます。舞茸そのものが醸す風味とつゆはベストマッチ。溶かすように柔らかくしても美味いですが、半分くらいはサクっとした段階で、細麺のそばを挟むように食らうのが最高。ちなみに、男ならプラス60円の大盛りでちょうどいいくらい。それほど食べやすいそばです。

 

【おくとね】

東京都港区新橋2-20-15 新橋駅前ビル1号館 B1F

月~金:7:00~20:00

定休日:土・日・祝


























【新橋】創業は昭和59年!オッサンたちの思い出が詰まった東京ブラック!インドカレーが美味いニュー新橋ビルの顔「丹波屋」は永遠に不滅なのです!

マスコミの露出が多い汐留側の新橋駅前ビルの「おくとね」が阿形像なら、烏森口側のニュー新橋ビルの「丹波屋」は黙ってそこにあり続ける吽形像。私が初めてこのビルに入っている金券屋を利用した時には、既あったので、調べてみたところ、創業はなんと昭和59年でした。さすが駅前の有名ビルに生き続けるだけあって、ただの東京の黒いつゆを飲ませる店ではない!麺は製麺所のゆで麺でも、モッチリしていて腰がしっかり。啜り甲斐のあるのど越しの良いタイプです。

地下1Fのゲーセンがまだあったり、化石のような謎の店が生き続けるニュー新橋ビルですが、先日、久々に覗いた時は新しい飲食店がけっこう繁盛しており、さま変わりしていました。ただし、この新顔たちが10年後も続いているかと聞かれるとかなり微妙です。そして、このへんに丹波屋の強さがあるのだと思います。実際、安定の味を求める客がひっきりなしに入っていました。写真下のように、とにかく天ぷらは種類が豊富。何を食べても普通に美味いと思います。

あと、丹波屋はインドカレーが代名詞です。若い頃、カレーだけ食べに寄ってました。ちなみに、私は今はなきWINS新橋でよく馬券を買っており、平日に払い戻しをしてから出勤するなど、付き合いはかれこれ25、6年になります。仕事帰りに先輩と一緒に行った思い出があったりして懐かしいですね。コロナ禍を経て、今は土曜は閉めているようですが、変わらぬ味でずっと続いてほしいなあ。私の評価には思い出のトッピングが上乗せされているので、あしからず。.tokyo

【丹波屋】

東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル1F

月〜金:7:00~23:00

定休日:土・日・祝


























新橋の「うさぎや」が帰ってきた!味はどこも変わらず、お父さんも元気でした!

ところで、新橋の「うさぎや」をご存知でしょうか?素朴な味に作っている方の人柄が感じられる老舗中の老舗として、この界隈のサラリーマンから愛され続けた名店です。私もコロナ前はよく寄らせてもらっており、新橋では真っ先に取り上げようと思ったのです。ところが、SNSの情報だと閉まっていると出ていると出ています。なので、書くのはいったん見送り、退院した後、ちょっと覗いてきたんですよ。

おとうさん、お元気そうでした。一度は奥様に不幸があったらしく、閉めようと思われたらしいですが、常連さんのために頑張って作り続るそうです。長々とお話させてもらいました。そうですか、のんびりやってください。気が向かない日があったら、その日は休んじゃえばいいだけの話だし。

それにしても、久々に食べたこの春菊天そばは本当に美味かったです。これを「東京ブラック」だという声を聞いたことがありますが、暗黒汁を飲みまくっている私にしてみると、180度に近いくらい逆の感想ですね。鰹節厚削り、鯖の枯節、日高昆布、しいたけ、煮干しを使った出汁香る上品な部類です。かえしが甘すぎないのもいい。麺は茹で麺。「あっ、これ!」と思ったほど、懐かしく絶妙でした。

あと、この名店といえば、とにかく肉そば。かいわれが添えられるなど、見た目からして美しい。この一杯は肉とつゆの相性が抜群で、うさぎやのファンの中には、肉そばを推す人が多いことも補足しておきます。実際に昼時に行ってみると、かなりの人が頼んでいることに気付くことでしょう。久々に食べましたが、立ち食いそばファンから愛され続けるお父さんの丁寧な手仕事を実感しました。応援する気持ち抜きで、文句なしの地域一番店!昔ながらの味が懐かしく、立ち食いそばの醍醐味を心行くまで味わえます。

【うさぎや】

東京都港区新橋5-9-1 曽我ビル1F

月~金:7:00~9:00/10:30~15:00

​定休日:土・日・祝


























【大門】上品に啜る感じの十割そば、最後の一滴までいけるつゆ、完全揚げたての天ぷら!「かんだ 冨そば」はそば食いのためにある名店だ!

都営浅草線の駅名はややこしいところがあり、大門とはJR浜松町のことで、隣りの三田はJR田町のことです。三田はKO大学があるため田町よりも浸透していると思いますが、浜松町をわざわざ大門なんて呼ぶのは、金持ちのカッコつけか、増上寺で儲けている坊さんくらいでしょ。なので、ここでは浜松町で話を進めようと思います。ちなみに、私にとって浜松町といえば、もつ焼きの秋田屋。「かんだ 冨そば」は秋田屋から少し歩いたところにあるので浜松町にカウントします。

それにしても、ここは美味い。そばは十割。平打ち麺のような田舎そばもあります。十割はワシワシ食べるイメージですが、この店の麺は滑らかで、田舎そばを頼んでもしっかり啜る感じです。つゆは上品な麺によく似合う香り高さ。かえしの品も良く、最後の一滴まで楽勝で飲めてしまいます。かき揚げは注文後に揚げるので、いつでも完全揚げたて。つゆに溶かしてしまうのがもったいなくなるほど、サクサクで文句なしです。すべては注文してから作るので、路麺店とは思えないほど時間がかかりますが、恐ろしいくらい手がこんでいて、それだけの味です。

こちらはきのこ鶏天そば。常連風の人が頼んでいたので、真似しましたが、味は言うまでにないでしょう。見ていると、訪れる客はかなりのそば通が多い印象で、知る人ぞ知るといった感じ。私はざるを食べずにかき揚げへ進んでしまい、そのまま晩秋を迎えてしまいましたが、夏は冷たいつゆで食べたい店です。こうして通っているように、完全にハマってしまいました。この冬はだいぶお世話になりそうかな。現在、絶賛リピート中です。

【かんだ 冨そば】

東京都港区新橋6丁目5-5 新生ビル1F

月~金:11:30〜21:00

定休日:土・日・祝


























【大門】まじめ過ぎる人柄が表れたそば、きれいに透き通ったつゆ、工夫のある天ぷらも美味い!「蕎麦たつ」が2024年7月に閉まってしまうので急げ!

トッピング激安!

9月は入院していたので、本稿は少し古い写真を材料に書いており、わざわざ食べに行った店はごくごく一部です。それでも、値上げを余儀なくされたり、ネギを有料にせざるを得ないなど、業界が置かれた厳しい現実を耳にしました。小伝馬町の「田そば」ほどの人気店が撤退を余儀なくされるのですから、水道光熱費と原材料の高騰の影響は計り知れず、この先も私たちファンは色々と覚悟しておかなければならないようです。人件費削減に伴い、営業時間を短縮しているお店が少なくないことはひとつの現象でしょう。

浜松町は立ち食いそばの軒数が少ないので「蕎麦たつ」が2024年7月で店を閉めるのはショックがでかいです。この通りメニューは豊富だし、雑多な内観とは裏腹に味はかなり上品。写真は紅生姜天そばですが、ちょっとした工夫があるし、カラっとよく揚がっている。そばは生そば。出汁のしっかりした綺麗に透き通ったつゆもいい。真面目に仕事をすればするほど、この世界は儲からないのかもしれません。

今回、店の存続確認をした結果、有名店のいくつかがもうないことに驚かされました。また、これから閉店することを発表している店も少なくありません。救う方法は食べに行くことなのでしょうが、いつも満席なのに、店を閉めなければならない現実を見ると、事態はそれほど単純ではないのかもしれません。「蕎麦たつ」はご夫婦で経営なさっている親切・丁寧なお店です。まだ当分は堪能できますので、よかったら足を運んであげてください。

お店の苦労や味の秘密について詳しく知りたい方はこちら☟

【蕎麦たつ】

東京都港区浜松町1-2-17

月~金:8:00〜20:00 土:8:00〜14:00 祝:11:00〜14:00 

定休日:日


























【三田】港区の重鎮にして都内屈指の名店「à la麓屋」!石臼挽き蕎麦だけでも美味く、フレンチ出身のマスターが生み出す創作メニューは絶品だ!

どれだけご無沙汰していても、開店当初から通う店では常連面をしたくなるものです。「à la麓屋」は超腕利きのマスターが食わせる創作そばの店。 注文してから茹でる石臼挽きのそばが文句なしです。マスターのアイデアが詰まった創作メニューも、麺そのものの美味さを生かすこと前提で作られており、信州仕込みのそばの香りを楽しめます。

オススメですが、初回は普通のざると天丼のセットを食べてもらうとして、次のステップではラーメンをイメージした写真の「コテリ」を挙げておきます。奇をてらっているようで、しっかり日本そばです。ちなみに、昔はこれと対をなす「アサリ」というメニューもあったほどで、遊び心のあるメニューは何を頼んでもハズレなし。店に足を運ぶ度に新メニューを探すのが楽しくなるほどです。

ちなみに、この夏、私が食べたのが写真左。季節メニューの汁なし担々麺です。中華の辛さと日本そばの醍醐味を同時に味わえます。「そばの風味が台無しじゃないかよ」と思う方もいると思いますが、そのへんはご心配なく。こんなあり得ないメニューをそばで実現してしまうのが「à la麓屋」という訳です。

季節ごとに旬の食材が楽しい天ぷらも、立ち食いそば屋のレベルをはるかに凌駕していて、芸術的な天丼も文句なしに美味い!恐らく、検索をかければ「信州でそば修行」とか「フレンチのシェフ出身」など、マスターの経歴が出てくるはずです。夜は酒も飲め、焼酎のそば湯割りが美味。つまみも超一流です。気付けば20年も通っていたここは、私にとって都営浅草線の不動の横綱です!

【à la麓屋】

東京都港区芝5-26-10

月~金:11:00~14:25/17:00~21:00

定休日:土・日・祝


























【三田】ドトールしか生き残っていないという駅チカで20年以上!どれだけ近隣の店が潰れようとも生き続ける「一心たすけ」は真の実力者だ!

「一心たすけ」は東京都品川区旗の台にある小野製麺所の直営。地元民としては誇らしいです!この店も相当付き合いが長く「à la麓屋」という強敵がそばになければ、もっと利用していたと思います。写真でもカラッとした感じが伝わる天天そば(紅生姜天+春菊天)が650円、「冷やし」も文句なしで天玉そばが530円。製麺所直営店だけに細麺もコシがあって美味いし、厚削りのかつお節、宗田節、さば節がきいたつゆも白眉。値段以上のクオリティに納得です。まとまっている分、インパクトに欠けるからかなあ。どうして話題にならないのか不思議です。それでも、朝メニューも安くてお得ですし、仕事前にさくっと食べるには最適だと思いますよ。

ちなみにTwitterでよくネタにされる看板がこちら。見慣れ過ぎていて、言われるまで気付きませんでしたが、確かにダイイングメッセージのようで笑えます。店の入れ替わりが激しく、麺類の長寿店が少ない三田にあって「à la麓屋」より3年も長く、23年も続いているだけで立派。というか、よほど根強いファンに愛されていないと、都営浅草線を出てから徒歩20秒?という三田の好立地を生き抜くのは難しい。先日、近くのラーメン屋が潰れていましたし、この並びで20年以上生き残っているのは、ほかではドトールだけ。この事実が示すように「一心たすけ」はブレない力を持った真の実力者です。

【一心たすけ 田町店】

東京都港区芝5-27-13

月~金:7:00~21:45 土:7:30~15:00

定休日:日


























【中延】東急沿線の立ち食いそば屋がほぼ全て消える中、学生からお年寄りにまで愛される老舗中の老舗。「大和屋」は東急沿線の住民の誇りである!

泉岳寺・高輪台はろくに降りたこともないので、何があるのか知りませんが、住民層からして立ち食いというエリアではないはず。そして、次の五反田で紹介しようと思っていた「ことぶき」(←)が2023年10月20日で閉店してしまいました。「バラ天」で有名なここは出汁勝負の本格店。これにてチェーン店を除けば、五反田の立ち食いは全滅となった訳です。それにしても、東急電鉄が通っている街は軒並み立ち食いそばが消えており、さすがに偶然と済ませられない部分があるのですが…果たして何かあるのでしょうか。

そのため、都営浅草線で行く立ち食いそばの旅は、生活圏内である中延まで一気に戻ってきてしまいました。中延といえば、六文そばとファンが二分されているようですが、私は断然「大和屋」を推します。相当な頻度で通っているので、公正に判断するため、似たような茹で麺の店と食べ比べてみましたが、やはり楽勝でした。東京ブラックでも、かえしがまろやかだし、毎日新聞が「さば節オンリー」だと報じている出汁のクオリティが違う!太すぎない麺は冷しでも美味しく食べられるレベルです。天ぷらそば系は450~520円とリーズナブル(写真上の春菊天そばは450円)。もっと上を求める場合は遠くへ行けばいいだけで、こういう店で日常的に食べられるのは喜ばしいことです。

げそかき天&生姜天そば大盛り720円

ちなみに、大和屋の売りは揚げたての天ぷら。こんなふうに揚げ置きされていますが、客の回転が早いので、すぐ新しいものが補充されます。衣はしっかりしていて、ごま油の香りがこうばしい。春菊天がオススメで、生姜天、ゲソかき、五目天も美味い。えび・いか・あじ天もあります。近所の立ち食いそば屋をわざわざ勧めるには、セールスポイントが少し弱い気もしますが、私が東京に住みだした時、既にあったので、調べてみたら創業は昭和53年なんだとか。週末も朝7時の開店に6時30分頃から待っている人がいるほど。そして、なぜかそれを知っている私。どうして、ぐるなびで点数が異様に高いのか、今ごろになってようやく理解できた気がします笑。

【大和屋】

東京都品川区中延4-5-4

火~金:6:15~14:30(要確認)

土・日:7:00~14:00(要確認)

祝:6:15~14:00(要確認)

定休日:月

※このような貼り紙が出ていました。念のため、お店に今の営業時間をご確認ください。上記はぐるなびの情報に平日の閉店時間として左記の内容を加味したものです。


























【中延】東京ブラックの代名詞「六文そば」も全盛期に比べると店舗数が減っているのだそうな。げそ天は変わらず美味い!毎朝6時からやっている便利さだけでも稀少です!

中延には「六文そば」があります。東京ブラックといえば、ここというほど有名ですが、聞いたところ、都内全体の店舗が減ってしまったらしいです。現在、5軒とも6軒とも聞いています。さて、六文そば 中延店は奇跡です。広域チェーン店を残して全滅してしまった東急沿線の中でどうして生き残れたのか不思議でなりません。「立ち食いそば 戸越銀座」とでも検索してみてください。六文そばの金看板の為せる業なのか、食べログで上位表示されます。毎朝6時から空いており、日曜や祝日も営業しているのは大きい。昔はよく日曜の朝飯をここで済ませていました。

実はご無沙汰していたのですが、久しぶりに試してみました。文句なしにげそ天は美味しいですし、いい意味で何も変わらないですね。ちなみに、激安だった六文そばも値上げしており、写真はげそ天そば600円+大盛り100円+春菊天100円というゴージャスな朝飯となります。東京ブラックの代名詞は「本ダシ(カツオ・サバ)を昔風の工法で作っている」のだそうな。とにかく、界隈から立ち食いそば屋が消え、六文の数が減っている今、この店だけには生き残ってほしいです。

【六文そば 中延店】

東京都品川区中延4-6-18

月~日(祝も営業):6:00〜20:00(17時から2Fで居酒屋メニューが始まり、お酒を飲めます)

定休日:年末年始

日本一黒いつゆと東京ブラックについて☟


























【西馬込】ほぼ食事をする場所がない大田区の辺境にあるサービス満点の店!地元民が愛す「そば太田」が都営浅草線立ち食いそばの旅の終着点です!

U字工事のふたりに触発されて始めた「都営浅草線 立ち食いそば」の旅も、気付けば終着駅の西馬込でした。紹介したかったのに、写真がどこかへ行ってしまって、抜けている店が数軒ありますので、美味しい店は後日、食べに行って、本稿を更新したいと思います。また、あまり降りない駅、美味しい立ち食いそば屋のない駅は割愛しましたが、浅草や東銀座はGⅠシーズンにたまに馬券を買いに行くので、暇があったら、むかし通っていた店でも立ち寄ってみたいと思います。どちらも閉店ラッシュにさらされ、立ち食いそば業界に厳しいエリアであることは理解しています。

さて、西馬込に話を移しましょう。中延からだと徒歩1時間程度なので「そば太田」へ行かれる方は電車を利用することをオススメします。仮に徒歩で目指される方は飲み物と事前のトイレを忘れずに。手前の馬込駅のあたりからコンビニもない道程が長く、かなり不便です。さて、こちらは材料が終わってしまい、小さくなってしまった天ぷらをサービスしてくれたり、何かとゆるーいムードでやっている家庭的なお店。しかし、つゆが関東風と関西風で選べたり、天ぷらもフリッターのような衣が独特で、揚げ加減が絶妙。麺ももっちりした弾力があって、それなりのこだわりが感じられます。

住民以外で西馬込という駅を利用する人はどういう目的があるのか知りませんが、定食メニューもあったり、夜は飲み屋も兼ねていて、駅周辺のすべてを背負っている印象。実際、続いているということは、最低、地元民の胃袋だけはしっかり握っている証拠だと思われます。この日はきれいな形に揚げてくれる春菊天を撮りにわざわざ行ったのですが、残念ながら売り切れだったので、写真左のような結果になりました。

全然立ち食いではないし、地味なラストになりましたが、最後にハイライトがくるなんていう旅程はレアケース。いつか折を見て「そば太田」の芸術的な春菊天の造形をお届けしましょう。近く別路線の旅も計画しておりますので、期待していてください。とりあえず、入院中に暇な私を笑わせてくれたU字工事のおふたりに感謝と尊敬の意を表しまして、本稿はひとまず終わりにしたいと思います。

【そば太田】

東京都大田区西馬込2-21-1

月~金:7:00~15:00/17:30~22:00

土・祝:11:00~17:30 日:11:00~15:00

秋葉原や浅草へアクセス抜群の宿泊スポット!U字工事も愛する浅草橋界隈の路麺店を探求してきたら「日本一黒いつゆ」に出会ったよ!「おらの立ち食いそば」、略して「おらそば」浅草橋編です!
以下は退院してからの話になります。あっ、ついこの間まで、ひと月ほど入院していました。よろしかったら、貼付したリンクをご覧...
夏のように暑かった10月末日、小伝馬町の超高級立ち食いそば「田そば」へお別れを言いに行ってきました。あと、新橋の「うさぎや」を覗いたら復活してました!別れはありますが再会もあるのです!「おらの立ち食いそば」、略して「おらそば」小伝馬町・新橋編です!
初夏のような陽気が続く中、小伝馬町の交差点の行列がえらいことになってました! まったくもって残念です。 ということで、急...
【週末営業店】週末営業の超有名店ばかり!立ち食いそば通を名乗るなら絶対に食べておきたい聖地・神田の代表店を土曜日にまとめて行ってきたよ!「おらの立ち食いそば」、略して「おらそば」神田編です!
昭和41年創業の「二葉」はそばを食べていると実感させてくれる名店!腰のしっかりした麺にガツンとくるつゆは寒くなるにつれて...





































コメント

タイトルとURLをコピーしました