「和そば」は文句なしの味と破格の値段の最大公約数を実現した奇跡のバランス!閉店ラッシュの武蔵小山の救世主となり得るのか!?~「おらの立ち食いそば」略して「おらそば」武蔵小山編スタートです!

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おっさんの飯
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立ち食いそばの価格高騰が止まりません!ちょっとでも節約して美味しいそばを食べ続けましょう!

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空前の大不況で行きつけ全部消えた、安値で貴金属を買い叩く質屋いっぱい…武蔵小山のパルム商店街が激変していました

写真はイメージです

クソ不景気です。はっきり言って、おらが街は終わってしまいました。とはいっても、東京の商店街というのは、シャッターだらけにはならず、2、3年頑張った店舗が消えると、その跡地にはチェーン展開している飲食店ができるのが相場。また、80歳を過ぎたの私の母に「婆さんを舐めないでほしい」と言わせるような古着屋や、倒産した店の在庫をせしめた店がニセ革製品を叩き売りするようなバッタ屋に“レンタルスペース”として貸し出され、体裁を取り繕うのが常のようです。とはいえ、金(=ゴールド)や骨董の買い取りを行う質屋の数がやたらと増え始めると、疫病神に憑りつかれたように、連鎖倒産が始まるジ・エンドの兆候。このイメージ写真のようなアフターコロナの典型的な光景が待っています。

ところで、私はもっぱら戸越銀座を中心に東急池上線沿線で遊ぶことが多く、中原街道を挟んだ反対側の武蔵小山のパルム商店街とは1年以上もご無沙汰していました。それにしても、この変わりようは本当ですか? この年末年始に用事があって、久しぶりに足を運んだのですが、かなりびっくりです。いったい何を写真に収めて、どう説明したらよいのか、わからないくらい、あれもこれも消えています。

よく利用していた店で変わっていなかったのは、この「鳥勇」くらいでしょうか。それでも、その場で食べながら一杯やっている人の姿はまったく見られず。その後、商店街で晩飯の総菜を買おうと思って入ってみたら、美味そうな店は神奈川県あたりの水産仲卸業者が営む魚屋ばかりでした。このような店はアンテナショップの色合いが強く、この場所で長く経営する気持ちがないことが微妙に伝わってくるところが悲しい。戸越銀座の顔ぶれもかなり変わりましたが、ムサコはその何倍も深刻な事態であることを理解しました。























訳アリでも構わない!家賃が激安の物件を確保することが成功する大きなカギ!いくら繁盛していても、閉店せざるを得ないのが、武蔵小山・戸越銀座の飲食店事情のようです

今はもうない戸越銀座の激安ラーメン屋

ちなみに、これはつい先ごろ潰れたラーメン屋の店主から聞いた話ですが、武蔵小山と戸越銀座の賃料はべらぼうに高く、「蓄えのほとんどを使い果たしてしまった。もう新しく店をどこかでやろうという気持ちも金銭的余裕もない」とのことです。この店は光熱費から原材料費まで高騰が止まらないこの時世に「庶民の味方!ランチタイムのお財布支援!」を掲げ、一杯380円でラーメンを提供するという暴挙に出た結果、毎日、ひっきりなしに行列ができるほどの盛況ながら、1年も経たずして閉店するという悲劇に見舞われました。

仮にこのエリアに店を出すことを検討する場合、熟考に熟考を重ねた上、商店街に面した物件ではなく、路地を入った目立たない場所に出店するくらいの慎重さがあって、ちょうどよいのだと思います。一歩入ると住宅街という事情があるため、出店が許される物件はかなり少ないようですが、そういう場所を確保できた店のほうが、逆に長く続いている事例があるのも少なからぬ事実です。なお、至極当たり前のことながら、何十年も続いている老舗は持ち家ですので、そのへんはくれぐれもご了承ください。























三ツ矢製麺所の後にできたのは、同店のフランチャイジーが開業した「和そば」!元ラーメン屋が出す日本そばの味はいかに?

さて、このような状況になってしまっては「飲食店の倒産件数がコロナ禍を超えて過去最多」(=帝国データバンク発表)というのも当たり前です。

特に後継者不足に悩まされる立ち食いそば業界は、この円安水準が来るよりも早く深刻な事態に見舞われ、いち早く店を畳んでしまったケースも多く、ずっとギリギリの状況が続いています。ですから、上がり続ける水道光熱費に加え、止まらぬハイパー円安に伴う小麦粉や食用油の暴騰のため、値上げはもちろん、少々味が落ちてしまうのも仕方ないでしょう。ただ、財布がかなり厳しいのはこちらも同じですので、立ち食いそばファンの代表としては、2025年はひたすら味と価格の妥協点を探ることになりそうです。

こちら、東急目黒線の武蔵小山駅を降りて、徒歩5分ほどの好立地にある「和そば」さん。知り合いに「立ち食いそばや路麺店の範疇に入るのかは微妙だが、食券を買って、すべてセルフサービスで行う店。何より、麺が美味しい」と勧められ、2024年末から通うようになりました。店の人から詳しい話はまだ聴けていませんが「和そば」の前にあった「三ツ矢製麺所(ラーメン屋)」のフランチャイジーが独立して出店したとのことです。

最近は仕事で出向くこともなくなり、めっきり降りることがなくなった駅。いきなり、アリかナシか判断してしまおうと考え、初回から豪勢に行ってしまいました。こちらは「かき揚げそばの大盛り」に「ごぼ天」をトッピングしたもの。お値段は〆て990円となります。天ぷらを別盛りで提供する上品さがお値段を物語っていますが、平日にひとりで食べる昼飯です。晩酌も控えているので、この価格設定で外したらちょっと笑えません。

しかし、すべては杞憂に終わりました。結論、これは文句なしに美味いです。かき揚げは揚げたてサクサク、衣はかなり軽い!麺は自家製麺ではないものの、細麺で腰がしっかりした感じ。どちらかと言うと、立ち食いそばではなく、いわゆる家族で年越しそばを食べるような街の美味しいそば屋の味とでも表現したらわかりやすいでしょうか。だから、990円でも値頃感たっぷり。これは大当たりでしょう。リピート決定です。

ちなみに、ひとつだけケチをつけさせていただきますと、天ぷらをトッピングしてふたつにした場合、つゆの量が若干少ないところ。これはガブガブ飲んでしまうほど、出汁が利いたキリリとした味わいだという証拠ではあるのですが、もう少し量があってもいい。あと、路麺店にインスタ映えも何もないですが、この店はビジュアルがかなり地味です。開業当初の11月にはあったらしい春菊天の名前が、2025年1月の時点では見付かりませんでした。色々とネット上で情報が錯綜しているようですが、季節ごとにメニューの入れ替えがあるようなのでご注意ください(2025年1月5日記)























あくまで味勝負!ビジュアルもへったくれもなく、ひたすら味を追求する職人気質な姿勢が逆に心を打つ!ただ、立ち食いそばを愛する私はついに一線を越えてしまいました……

それにしても、この店のメニューは茶色が多めです。券売機を見ていると、赤い「海老天そば」の尻尾と「とろろ山芋そば」の白が妙に印象に残ります。そこで、3回目に天ぷら好きが頼んだのが、謎の「鶏ほぐし肉天そば」大盛りです。なぜ、謎かと言いますと……

このように表示されているからです。券売機に写真がない理由がわかりました。

あえて写真を載せる意味はないからなのかもしれません。思わず、店長さんに「これが“鶏ほぐし肉天そば”ですか?」という迷惑な問いかけをしてしまいました。この地味な写真ではまったくわからないでしょうが、確かにたまねぎと鶏のかき揚げで、これがまた大ヒット。やりました! あちこち食べ歩いてきましたが、この組み合わせのかき揚げは記憶にありません。ささみを丁寧にほぐしてあって、手間がかかっていることがよくわかります。ちなみにお値段なのですが……

ありゃりゃ、立ち食いそばを愛する者として、越えてはならない一線を越えてしまった気分です。しかし、今日日、チェーン展開しているラーメン屋が平気で1500円以上取ることも珍しくなくなりましたし、年始くらい贅沢するのもよいのかもしれません。何より、この店ならこのお値段でも納得できます。なお、あくまで個人の好みですので、ご判断はご自身でなさってください。あと、このメニューもいつまで続くのかわかりませんので、ご希望の方はなるべく早めに味わっておくことをオススメします(2025年1月10日記)























肉そば好きにはたまらない極上の一皿!ひねりも何もないドーンと角煮が乗った「豚の角煮そば」は鉄板中の鉄板!ただし、気になるお値段はなんと……

さて、私は肉そばを愛して止みません。昨年あたりまでは、飛び込みで入った店でも置いてあれば、かき揚げそばには目もくれず、いきなり頼むこともあったくらいです。ただし、あらゆるタイプを食べ尽くしており、味にはかなり厳しいほう。ダメな時にははっきりダメだと言います。そして、3連休が明けた1月14日、昨年末から狙いを定めていたメニューに手を出してしまいました。

じゃーん!!「豚角煮そば」大盛りです。2023年末から通うこと4回目にして思い切ってチャレンジしてみました。チャレンジとしたのは、愛するが故、理解している部分もあるのです。この時世において、肉そばは最もリスクの高いメニューだったりします。理由は豚肉価格の異様な高騰に伴い、肉質を落とした店が増えたこと、あとは光熱費の節約のため、煮込む時間が足りず、異様に硬くて臭みを感じる店も少なくありません。

しかし、このビジュアルが示すように、この手の心配はまったく不要でした。ライスが欲しくなるほどの美味さとはこのこと。もともと、ラーメン屋をやっていたオーナーが出す肉そばのため、いわゆる立ち食いそば定番の大陸系の座布団肉がドーンと入ったタイプとちょっと違って、もっと肉の厚みがあって噛み応えがあり、つゆ・麺との相性も抜群です。品川区の青物横町に「そばきり うちば」さんという店がありますが、そこと双璧と言ってもいいくらい。こちらの味つけはもっと濃いめなので、私のようなジャンクな舌にはわかりやすい味だとも感じました。

ただし……

お値段のエスカレートが止まりません。でも、この店ならもうなんでもいいや笑

店内を見渡すと「角煮ごはんセット」なんていうセットメニューもあるようです。次回はこれにかき揚げをトッピングしてみようかな。とはいえ、あくまで昼飯。年末から仕事もそっちのけで、わざわざ電車に乗ってまで通ってしまったので、しばらく自粛ですね。

なお、武蔵小山の立ち食いそばといえば「富〇そば」が定番でしたが「肉骨茶そば」なる肉そばメニューは590円です。大盛りはプラス130円ですから720円ということになります。これを基準に考えた場合「和そば」の「豚角煮そば」大盛り1400円は味と麺の量を考えると、はるかに満足感が高いというのが個人的な感想です。都内では軒並み、味とのバランスを考えると「ちょっとお高くなり過ぎたかなあ」と考えていた店が何軒かあって、行くのを止めたところも少なくないのですが、そんな心の隙間を埋めてくれる店がハイソなムサコに現れました(1月15日記)

ちなみに「和そば」が出している「とよんちの王卵」を用いた親子丼や卵かけご飯というのは、向かいにあるバウムクーヘンとプリンで有名な“たまご専門店”「とよんちのたまご」とのコラボメニューです。

寝ぼけていて、中身のプリンの写真を忘れました…

私はプリンを食べたことがありますが、かなり濃厚で美味しかったです。近いうちに親子丼を試してみたいと思います。

立ち食いそばまで大幅値上げで、昼飯の定番も財布と相談しながら、食べ終わった後の後悔がないよう、最大の喜びを享受できる店を模索する時代になってしまいました。しかし、この「和そば」さんには、路麺店マニアとして、ギリギリの妥協点を見いだすことができます。これからも通い続けると思いますので、新しいメニューで美味しいものがありましたら、その都度、本稿に更新しておきますね。終わりの目印は、この「とよんちのたまご」を目印にしておきます。今回はこんなところです。次回までごきげんよう、ばいちゃです。

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