さまざまなビジネスパーソンの匂いが入り混じる。おにやんまに感じるオールカマーな五反田の日曜早朝
初夏のある日曜の朝、起きたら、5時15分だった。オッサンの就寝は早く、まとまった時間をぐっすり眠れなくなっている。気付いたら着替えて、五反田方面へと歩き始めていた。習慣でもなんでもなく、自分の行動に説明がつかない。これがオッサンであり、老いなのだと思う。そして、当たり前のように、汗だくで「おにやんま」にいた。夜働く男の香水の匂いと、朝から働く男の汗の匂いと、ただのオッサンの加齢臭に、なぜか若い女性のボディソープの匂いが入り混じるうどん屋。さらば青春の光だったか、鬼越トマホークだったか、YouTubeで指摘していたと思うのだが、この老舗はオールカマーで、客の服装が多様過ぎるところが面白い。そして、五反田の朝を象徴している。券売機で「冷とり天ぶっかけ」大盛りの食券を買い、少しだけ並んで、順番がくると店に入り、すぐにうどんが出てきた。長居する客はいない。15分もすれば、どの客も出ていく。
とり天を食いながら思い出した…意識高い系ラーメン屋へのアレルギー
朝のおにやんまは、完璧なまでにスムーズである。客同士も店員と客も一切の会話がない。これはコロナ前から。たまに「会話禁止」の貼り紙を意識の高そうなラーメン屋で見るが、私はそういう店には二度と行かない。脅されているような感覚を覚えるから。また、そういう店に限って、スムーズさを欠いていて、心の中であざわらっている自分にも気付く。なお、おにやんまの夜というのもある。こちらは多少声が聞こえるが、やはり流れるようにすべては運ぶ。いろいろな人がいる五反田でも揉め事はない。
その日、Twitterにフォロー外からいいねがいくつか押されていたので、うどんを食いながら、どんな人か見ていた。アイコンと名前だけは何度か目にしていた人がいたので、プロフィールに行ってみた。すると「フォロー外でも好きにコメントするし、好きにコメントしたらいい。自分からフォローするのは、ミュージシャン、プロ…」などと書いてあった。「会話禁止」の貼り紙があるラーメン屋に似た気質を感じた。駅でわざとぶつかってくるオジサン的な要素をいくつかの引用リツイートに感じ、引用でしか喋れないことに寒くなった。
最近、私は「おはようございます」「お疲れ様でした」くらいしか呟いていない。挨拶まで引用リツイートされたら怖いので、そっとブロックした。とり天は美味かった。外はもう暑かった。@.tokyo
お盆の五反田の朝はおにやんま一択!いつも通りスムーズに食べられます
お盆のおにやんまは大活躍である。2023年は海の日が8月11日の金曜日であるため、五反田の飲食店はこぞって閉まった。なんと、気付けば、JRのホーム内の立ち食い蕎麦までやっていない。これは東京観光などで訪れる人にはぜひ知っておいてほしい。
ちなみに全国チェーン店のラーメン屋という選択肢はあるが、当然、早い時間帯は営業しておらず、仮に開いていたとしても、わざわざ、コミケのために東京まで来て、食でガッカリ感が込み上げては幸先が悪いだろう。コミケに行く人は五反田に泊まる人が僅かながらいると聞いた。隣の大崎駅まで歩いて、りんかい線で東京ビッグサイトを目指すようだ。そういう方にこそ、早い時間の朝飯はおにやんまをお勧めする。台風情報に振り回された2023年8月14日は、外国人のお兄さんのワンオペながら、いつも通り普通にやっていた。おにやんまも他のファーストフードのように人手不足らしいが、その手際の良さは際立つ。
これから嵐が来るにも関わらず、スーツケースを持った女性から、クソ暑いにも関わらず、365日、温かいうどんと決めているようなお爺さんまで大盛況である。それにしても、地球は、日本は、どうしてしまったのだろう。モワッとした空気は東南アジアである。歩いているだけで気分が悪くなり、持病の腰痛まで出てきた。こういう日の鶏天は重い。昼飯のために吉野家でテイクアウトしてから帰る予定だったが、あまりの重苦しい気圧に食欲が失せてきた。なので、さっぱり肉うどん冷で贅沢した。スッと入る。至福である。速攻で食べ、「ごちそうさん」と告げ、店を出た。見上げると異国の空のように怪しげな雲が怪しくうごめいていた。高齢化社会と反比例して地球は寿命が縮んでいるのだろう。おにやんま日記、続く……@.tokyo
正月の五反田は元日から、そして、おにやんまは2日から!いい匂いのお姉さんが食べていた。お仕事、お疲れさま!
正月のおにやんまは2日からである。2023年、急速に都内で勢力を拡大した五反田の代名詞だが、さすがに元日は休むらしい。というか、五反田店で聞いた話なので、他店のことは知らない。それにしても、2024年は正月からとんでもないことばかりである。地球と偶然に人間が翻弄されているとでも言ったらよいのか。東京にいるくせに心身ともに疲弊し、三が日はサブスクで映画を観ている以外はほぼ寝ていた。
冷たいうどんが食いたくなり、おにやんまを訪れたのは4日である。昨年まで私が勤めていた会社も4日まで休みだったし、まだ正月休みの人がほとんどのようだ。5日の金曜に有休を取ると、成人の日の8日まで休みという人もいるらしい。久しぶりにこういう会話を聞いた。反対隣りでいい匂いのする女性も食べていた。いわゆるケバさがなく、かわいらしい。Twitterでフォローしている古本マニアの人は元日から行ったと呟いていた。仕事なんだろう。お疲れさま。
久しぶりに訪れたが、5分もいなかったのにこの情報量である。だいぶ浮世離れが進んだか?私は2023年9月いっぱいを丸々入院した。大した病気ではなかったし、今はすっかり良くなったのだが、一時期はげっそり痩せて、体力が急激に落ちてしまった。この時、思ったのは、健康でないと一気に生命力を持っていかれる年齢になったということ。そして、食い道楽は健康でないと、いろいろ制約があって生きていて楽しくないということである。
「なんで、こんな状態になるまでどこの病院にも行かなかったんですか!」
ったく、うるせえよなあ。でも、命スレスレという重い現場をコロナの隔離病棟で何度も目にしてしまい、多少、宗旨替えしたというのはある。とりあえず、まだ生きていたいのもあって、煙草を止め、酒も極力控えている。
五反田界隈の皆様、さらば青春の光のおふたり、今年もよろしくお願い申し上げます。おにやんま日記、続く……@.tokyo
裏さらばが案内する「おにやんま&魁力屋ゾーン」について☟
![](https://i0.wp.com/mushikiba.com/wp-content/uploads/2024/04/gl0fLtHV-1-e1713250861711.jpg?resize=160%2C90&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/mushikiba.com/wp-content/uploads/2023/10/bn8RdfQg.jpg?resize=160%2C90&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/mushikiba.com/wp-content/uploads/2023/10/Aav0b2U.jpg?resize=160%2C90&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/mushikiba.com/wp-content/uploads/2023/08/LaWpYGU_.jpg?fit=680%2C510&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/mushikiba.com/wp-content/uploads/2023/08/OxSXAddm.jpg?resize=160%2C90&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/mushikiba.com/wp-content/uploads/2023/08/D3wVckuV.jpg?resize=160%2C90&ssl=1)
![](https://i0.wp.com/mushikiba.com/wp-content/uploads/2023/07/FQhYYaLaMAAfJ6L.jpg?resize=160%2C90&ssl=1)
コメント