異才・呉勝浩が生んだぶっとび令和ディストピア!最強のサイコ野郎のクイズ爆破予告が怖い『爆弾』に圧倒される2023年版『このミステリーがすごい!』あと、奥田英朗の『リバー』についてです。2024年版ですが、米澤さん?京極さん?Twitterで1位はだいたい予想がついちゃいました笑

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このミステリーがすごい!(工事中)
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『同志少女よ、敵を撃て』は掛け値なしの傑作!もう現実を無視して読むことは難しいのかもしれませんが、永遠に読み継がれてほしい冒険小説です!2023年版『このミステリーがすごい!』ベスト20

順位 タイトル 著者
1位 爆弾 呉勝浩
2位 名探偵のいけにえ 白井智之
3位 捜査線上の夕映え 有栖川有栖
4位 方舟 夕木春央
5位 プリンシパル 長浦京
6位 爆発物処理班の遭遇したスピン 佐藤究
7位 同志少女よ、敵を撃て 逢坂冬馬
8位 大鞠家殺人事件 芦辺拓
9位 地図と拳 小川哲
9位 リバー 奥田英朗
11位 此の世の果ての殺人 荒木あかね
12位 ダミー・プロット 山沢晴雄
13位 #真相をお話しします 結城真一郎
14位 ループ・オブ・ザ・コード 荻堂顕
15位 録音された誘拐 阿津川辰海
16位 馬鹿みたいな話!昭和36年のミステリ 辻真先
16位 煉獄の時 笠井潔
18位 救国ゲーム 結城真一郎
19位 俺ではない炎上 浅倉秋成
20位 N 道尾秀介

対象は2021年10月ー2022年9月。まだコロナ禍でもあり、思い出したくもない出来事が多かったのは事実です。もう2024年版が刊行されますし「いずれ書けばいいや」くらいに思っていたのですが、やはり区切りは区切り。けじめとして振り返っておきたいと思います。なお、このミス上位作品が現代の予言書となってしまったり、現実と奇妙な符合を見せた事例につきましては、以下のリンクなどで多少触れています。

『機龍警察 白骨街道』について

『罪の轍』『リバー』と超大作を続けて執筆しながら、奥田英朗がコロナ禍にプレゼントしてくれたのは、なんと驚きのファンタジー傑作選『コロナと潜水服』だった!2022年版『このミステリーがすごい!』は月村了衛が生んだ現代の予言書『機龍警察 白骨街道』が日本の、世界の闇を炙り出す!
令和ディストピアが現実のものに…東京オリンピックの年、生活圏から地上に建っている書店が消えた……2022年版 このミステ...

『仮想儀礼』について

2010年版『このミステリーがすごい!』は『最悪』『邪魔』に続く奥田英朗が打ち立てた金字塔、令和ディストピアを予言したような怪作『無理』がぶっちぎりの面白さ!このほか、ウサちゃんが「このラビッチめ」とピストンする哲学書『ジョニー・ザ・ラビット』が躍る!
現代の予言書とも言うべき不穏な傑作が多数!2010年版『このミステリーがすごい!』ベスト20!! 順位 作品名 著者 1...

『ジェノサイド』について

水川あさみで有名なNHKのあのドラマがこの作品だ!!ロックンロール作家・奥田英朗は「平成の家族シリーズ」第2弾『我が家の問題』を刊行!野村周平主演で映画化された『純平、考え直せ』もこの年だった!人間のエグみを煮詰めたような沼田まほかるの『ユリゴコロ』、月村了衛の大人気シリーズ『機龍警察 自爆条項』、高野和明のコロナ時代の予言書『ジェノサイド』が存在感を放つ2012年版『このミステリーがすごい!」
2012年版 このミステリーがすごい!ベスト20 対象は2010年10月ー2011年11月。心にまったくゆとりがなかった...

早川書房から凄まじい才能がデビューするとTwitterで知り、何も考えずに手に取ったのが、逢坂冬馬さんの7位「同志少女よ、敵を撃て」です。評判に違わぬスリリングな面白さで、何が撃つべき悪なのか?そいつはどこにいるのか?などと真剣に考えさせられました。なお、私が読んだのは刊行直後のことです。この一冊と主人公・セラフィマへの思いにつきましては、一読者がとやかくコメントしても意味がありません。生みの親である逢坂さんの本屋大賞受賞のスピーチをぜひご覧ください。

確かに現実の戦争を無視して読むことはもう難しいのかもしれない。でも、セラフィマの心の揺らぎを追いかけながら、少しだけ穏やかな気持ちで再読しました。冒険小説として、ガンアクションとして、少女の成長譚として、純粋に楽しめましたよ。つい先日、逢坂さんは2作目『歌われなかった海賊へ』を発表。『同志少女よ、敵を撃て』はアガサ・クリスティ賞受賞作品です。今度こそフラットな目線でもっと多くの人に読まれ、純粋に実力を評価されることを願っています。






身元不明、動機不明、目的不明。でも、時は無情に過ぎ、爆破は起こる…爆弾クイズ王があなたの安っぽい倫理観を挑発し、心の闇へと貶める…

さて、2023年版は1位予想が珍しく的中し、妙に納得しました。それほど、呉勝浩さんの『爆弾』は令和ディストピアの本質を見事に突いていて、面白かった。このように感じられた理由は、最強の犯罪者「スズキタゴサク(49)」は今なら近所に住んでいても不思議のないサイコ野郎だからでしょう。確かに未曽有の大不況や腐敗しきった無策の政治への怒りなど、犯罪者にも三分の理はある。一方で、というか、同時に、令和という時代は常識にかからない考え方をする狂人を生み出しているように思います。

話の大筋をざっと。ドラゴンズがジャイアンツに負けたという理由で、酒屋の自動販売機を蹴とばし、店員に乱暴をはたらいて、連行された冴えない男、それがタゴサクです。取り調べで坊主頭の十円ハゲは刑事の尋問をのらりくらりと交わしますが、「霊感に自信がある」と口にした直後、その予告通り、秋葉原のビルの空き部屋で爆発が起こります。そして、タゴサクは「一時間ごとにあと三度の爆発が起きる」と告げるのです。爆弾のあり処を聞き出そうとする刑事たちを、無邪気にクイズで弄ぶタゴサク。身元不明、動機不明、目的不明。でも、時は無情に過ぎ、爆破は確実に起こる……始まりはこんなところでしょうか。

人質はその時、東京近郊にいる私たち。そして、絶対優位のタゴサクは取調室でのやりとりで、命の不平等、可能性の格差、偽善者を装ってもホームレスの腐臭の前に隠し切れない生理的な反応…など、具体的な根拠を持って、刑事たちが口にする安っぽい倫理観を論破し、いつしか、当人が思い出したくもない過去やそれぞれが抱える心の闇に直面させるのです。ぜひ、2023年版のこのミスに掲載されている呉勝浩さんのインタビューを読んでほしい。どの映画に想を得てタゴサクVS刑事のクイズ対決が生まれ、どうやって先がまったく見えず、無軌道に動く話が書かれるのかが説明されています。この手法で執筆されている以上、読み手に着地点など、わかるはずがないと腑に落ちるはずです。問答無用の傑作!






笑ってしまうほどの「北関東あるある」を散りばめながら、登場人物のサイドストーリーが驚愕の分厚さを生み出すことに成功!過去最高に登場人物の数が多い奥田群像劇『リバー』は問答無用の面白さ!

9位の奥田英朗さん『リバー』も安定の筆力を超えて面白かった。群馬県南や栃木県南あたりを少しでも知っている人なら、いかにリアルな作品であるかが理解できるはずです。久しく帰省していない私でさえ、ステレオタイプな人物の造形に奇妙な親近感・嫌悪感・既視感を覚えるほど。駅周辺の情景、個人情報を平気で漏らすレンタカー屋、場末のスナックで繰り広げられるホステスと客のやりとり、ヤクザと産廃業者の関係…どこを取っても、奥田節全開、「北関東あるある」が香ばしい匂いを放っています。

事件はパパ活女性連続殺人。群馬県桐生市の渡良瀬川河川敷で他殺体が見つかり、その数日後、対岸の栃木県足利市でも同様に遺体が発見されます。10年前、同じような女性が殺害される事件が起こりながら、迷宮入りさせてしまった黒歴史があり、群馬・栃木両県警はすぐに反応し、色めきだちます。また、このような経緯から、警察庁が乗り出し、今回は情報の出し惜しみやメンツ合戦などを回避する目的で、合同ではなく「共同捜査本部体制」が敷かれ、両県警はそれぞれの事件を追い始めるのです。






それにしても、奥田センセ―はこれだけ大量の人物が登場する群像劇をまとめ上げたのにツキがない…普通の年だったら確実に上位争いに食い込んでくるキャラ大会の大傑作です!

例によって登場人物の造形が素晴らしく、存在感は圧倒的。一人ひとりの人生や事件に賭ける思いがサイドストーリーのように展開され、個人を追いかけても十分な奥行が感じられるほど見事です。例えば、群馬県側では、10年前に犯人に娘を奪われた写真館経営の松岡芳邦の狂ってしまった人生。片目の視力に異変を感じながら、河川敷に現れる不審人物の写真を撮り続け、容疑者を追う姿はどこか狂気じみています。栃木県側では栃木県警捜査一課の元刑事・滝本誠司のやり過ぎ。仮に現役刑事であっても非合法な手段で立ち回る姿は異様とも思える執念です。このほか、壊れ方がぶっ飛んでいる3人の容疑者はもちろん、個性的な両県警の刑事、女性新米記者、容疑者と肉体関係にあるスナックのママなどのキャラクターがキリリと立っている。奥田氏が描いた群像劇の中では一番登場人物が多い(?)と思われ、いわゆる先を知りたくて徹夜してしまうような一冊。お正月などに最適だと思います。

※これで奥田英朗という人の魅力が一発でわかる?

※これで奥田英朗という人の魅力が一発でわかる?

平成の家族シリーズ『家族日和』『我が家の問題』『我が家のヒミツ』☟

ロックンロール作家・奥田英朗は「平成の家族シリーズ」第1弾『家日和』で柴田錬三郎賞を受賞!ピンサロのドストエフスキーこと、飯野文彦の『バッド・チューニング』、黒川博行の大阪ポリス・ノワール『悪果』、霞流一のバカミスの金字塔『夕陽はかえる』など超強力ラインナップの2008年版「このミステリーはすごい!」
1~3位は1点差のデッドヒートという史上稀に見る大混戦!でも、毛毬ちゃんが突っ走る桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』は『私の男』...
水川あさみで有名なNHKのあのドラマがこの作品だ!!ロックンロール作家・奥田英朗は「平成の家族シリーズ」第2弾『我が家の問題』を刊行!野村周平主演で映画化された『純平、考え直せ』もこの年だった!人間のエグみを煮詰めたような沼田まほかるの『ユリゴコロ』、月村了衛の大人気シリーズ『機龍警察 自爆条項』、高野和明のコロナ時代の予言書『ジェノサイド』が存在感を放つ2012年版『このミステリーがすごい!」
2012年版 このミステリーがすごい!ベスト20 対象は2010年10月ー2011年11月。心にまったくゆとりがなかった...
お涙頂戴上等、これが佐藤仁美主演のNHKドラマ作品だ!ロックンロール作家・奥田英朗の平成の家族シリーズ第3弾『我が家のヒミツ』は浅田次郎ばりの大感動路線!広末涼子がいっぱい入っていてエロかった『ナオミとカナコ』もこの年だぞ!そして、2016年版『このミステリーがすごい!』では、役所広司の無残な水死体で有名な柚木裕子の暴力ハードボイルド『孤狼の血』が誕生する!!
もう肩書や勲章はいらないのでしょうが、米澤穂信さんが初の2年連続戴冠という快挙を達成したのはこの年でした!2016年版『...

コロナ禍に発表された異質のハートフル・ファンタジー『コロナと潜水服』☟

『罪の轍』『リバー』と超大作を続けて執筆しながら、奥田英朗がコロナ禍にプレゼントしてくれたのは、なんと驚きのファンタジー傑作選『コロナと潜水服』だった!2022年版『このミステリーがすごい!』は月村了衛が生んだ現代の予言書『機龍警察 白骨街道』が日本の、世界の闇を炙り出す!
令和ディストピアが現実のものに…東京オリンピックの年、生活圏から地上に建っている書店が消えた……2022年版 このミステ...

珠玉のエッセイ集『どちらとも言えません』『野球の国』『田舎でロックンロール』☟

中田翔よ、思い切って「中田勝男」に改名しろ!大阪桐蔭の初代卒業生である天才・今中慎二が臨時コーチとして立ち上がり、大将と根尾と飯を食う!中日ドラゴンズのファンは奥田英朗の『どちらとも言えません』における指摘を優勝祈願として読むべし!『罪の轍』や『東京オリンピックの身代金』の作者はNumberで連載を持つほどのスポーツ通なんだぞ!
コロナ禍に小説を読んでいて「濃厚なディープキスの描写がなくなってしまう!垣根涼介はどうするんだ!」と思ったのは、私だけで...
🤖『罪の轍』『東京オリンピックの身代金』の奥田英朗が注ぐ中日ドラゴンズと中村武志への深い愛に感動!タケシ、起亜タイガースの契約が終わったら、監督やらなけりゃ、ダメだ!ぶち抜きの面白さを誇る『野球の国』は珠玉の野球いっかんエッセイ!偉才の小説が断然おもしろくなる一冊です!
奥田英朗は何度読み返しても面白い!氏が敬愛なさっていた山田太一さんが亡くなり、エッセイで尊敬の念を綴った文章に読みふけっ...
📻ライブアルバムの頂点を極めたLOVEBITESの「Knockin’ AtHeaven’sGatePart II」!!この超名盤をRainbowの初来日公演を目撃するなど、70年代を知り尽くす直木賞作家・奥田英朗の名著「田舎でロックンロール」の文脈で紐解く!~しながわロックラジオ【LOVEBITES ライブ感想】
Asami Christmas Live 2023が終わって押し寄せるリアル過ぎる記憶、そして、なぜか宇宙と哲学者・中沢...

このミス初登場!二文字作品の第1弾『最悪』について☟

奥田英朗『最悪』に颯爽と登場!『罪の轍』も『東京オリンピックの身代金』も『沈黙の町で』もここから始まったのだ!東野圭吾『白夜行』、高見広春『バトル・ロワイヤル』ほか、大名作が揃った2000年版『このミステリーがすごい!』
飛び道具だらけの個性勝負!大手版元は逃げ出して『バトル・ロワイアル』は太田出版から出版された! 2000年版『このミステ...

大出世作『最悪』と『東京物語』について☟

このミス1位の冠というのは直木賞より遠いらしい…奥田英朗のブラックな筆致が際立つ『邪魔』がぶっちぎりに面白い2002年版『このミステリーがすごい!』このほか、青春小説の大傑作『東京物語』が誕生!レコードコレクターでもある直木賞作家はハードロックにもプログレに精通しており、なぜか「ヘビメタ」という呼称問題にも詳しいようです笑
宮部みゆきのぶっちぎり!しかし、そのほかは先鋭的で尖った異形がめじろ押し!2002年『このミステリーがすごい!』ベスト2...

二文字作品の第3弾!奥田文学の金字塔『無理』について☟

2010年版『このミステリーがすごい!』は『最悪』『邪魔』に続く奥田英朗が打ち立てた金字塔、令和ディストピアを予言したような怪作『無理』がぶっちぎりの面白さ!このほか、ウサちゃんが「このラビッチめ」とピストンする哲学書『ジョニー・ザ・ラビット』が躍る!
現代の予言書とも言うべき不穏な傑作が多数!2010年版『このミステリーがすごい!』ベスト20!! 順位 作品名 著者 1...

東京オリンピック作品 第2弾『罪の轍』について☟

これで4位とは奥田英朗はとことんツキがない!東京オリンピック時代作品 第2弾『罪の轍』が強烈な2020年『このミステリーがすごい!』
懐かしい名前が見られる一方で、オジサンは完全に乗り遅れていると実感……新旧の傑作が揃った 2020年版『このミステリーが...

WOWWOWドラマ化作品『真夜中のマーチ』☟

IT長者へ向けた奥田英朗の猛毒が炸裂!玉山鉄二がヨゴレに挑んだWOWOWドラマ作品『真夜中のマーチ』が登場!2004年版『このミステリーがすごい!』のデッドヒートを制したのは、叙述のミステリーの金字塔!歌野晶午の『葉桜の季節に君を想うということ』だった!
21位以下に錚々たる名前がズラリ!天才クリエイター・戸梶圭太の2作と鬼畜バカ・小川勝己は文句なしに面白い!2004年度版...

最新作『リバー』について書いています☟

異才・呉勝浩が生んだぶっとび令和ディストピア!最強のサイコ野郎のクイズ爆破予告が怖い『爆弾』に圧倒される2023年版『このミステリーがすごい!』あと、奥田英朗の『リバー』についてです。2024年版ですが、米澤さん?京極さん?Twitterで1位はだいたい予想がついちゃいました笑
『同志少女よ、敵を撃て』は掛け値なしの傑作!もう現実を無視して読むことは難しいのかもしれませんが、永遠に読み継がれてほし...

奥田作品の中でも屈指のバッドエンドと最悪の読後感『沈黙の町で』☟

長澤まさみ出演映画やキムタクの大根作品の原作が登場する中、予定調和のように訪れる究極のバッドエンド……奥田英朗が大問題作『沈黙の町で』を朝日新聞出版から発表!2014年版『このミステリーがすごい!』では、絶対零度の死神・千葉が帰ってきた!伊坂幸太郎『死神の浮力』の温もりあふれる筆致は感涙ものだぞ!
2014年版 このミステリーがすごい!ベスト20 1位 ノックス・マシン 法月綸太郎 2位 教場 長岡弘樹 3位 ブラッ...

奥田英朗版、北の国から?『向田理髪店』について☟

これが奥田英朗の「北の国から」だ!薄毛の高橋克実が散髪屋を主演で演じた「向田理容店」の原作が誕生する!山田太一、イッセー尾形との対談を収録した「variety」もこの年だった!2017年版『このミステリーがすごい!』は綾瀬はるかのオッパイが揺れる『リボルバー・リリー』を引っ提げ、長浦京が満を持して登場!あり得ないリアリティを実現する天才作家が満を持してメジャーデビューを果たす!
上位は安定したメンバーであるようでいて、2023年版1位の呉勝浩が見られる新旧交代の一年!2017年版 このミステリーが...

※奥田ブンガク史上、最もお下劣な大傑作『ララピポ』

いったい誰が森三中の村上知子をヨゴレにしたんだ?奥田英朗が史上最低のお下劣本『ララピポ』を発表!東野圭吾、原尞、藤原伊織の名作が世を席巻した当たり年、2006年版『このミステリーがすごい!』では、麻耶雄嵩が少年少女のための児童文学に爆弾を放り込む!ザ・トラウマ本『神様ゲーム』が誕生だ!
2006年版『このミステリーがすごい!』ベスト20! 対象は2004年11月ー2005年10月。この年はとにかく傑作揃い...






あの『リボルバー・リリー』の長浦京が生んだ非情と外道が規律の強き女!血まみれの戦後史『プリンシパル』は容赦なしの迫力で心に迫る!

あとは長浦京さんの5位『プリンシパル』は舞台が現代ではないという時点で、真っ先に思い出すのは『リボルバー・リリー』。しかし、こちらヤクザの父を嫌い、家を出ながら、跡取り代行を務めるこちらは史実に基づいた血まみれの犯罪小説です。手段を問わないほど容赦がなく、無類の強さで男を圧倒する女を描かせたら長浦京はやはり凄い!






なお、2024年版の上位作品はTwitterを見ていて、途中でいくつかわかってしまいました。宝島社はいくつかの版元の大幅フライングに釘をさしておいたほうがいいです。1、2位はファンの数がそのまま結果になるんだろうなあと思ったので、SNSバレは仕方ないことなのですが。

※1位は絶対王者初の警察小説のほうでした。京極さんは2位。なお、好きな作家さんが結構ランクインしているのに、ベスト20を一冊しか読んでいないという前代未聞の外し方をしたので、興味のある作品は正月あたりに読んで、感想を書いてみたいと思います。
















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