【週末営業店】週末営業の超有名店ばかり！立ち食いそば通を名乗るなら絶対に食べておきたい聖地・神田の代表店を土曜日にまとめて行ってきたよ！「おらの立ち食いそば」、略して「おらそば」神田編です！

昭和41年創業の「二葉」はそばを食べていると実感させてくれる名店！腰のしっかりした麺にガツンとくるつゆは寒くなるにつれて美味さ倍増だ！

もう週末ですね。若い頃のように遊び回る訳ではないので、本屋を覗いたついでに、そばを手繰るくらいが楽しみですが、土日が待ち遠しいのは変わりありません。いつも、ひたすら立ち食いそばを応援し続ける拙稿を読んでいただき、ありがとうございます。一部の店のメニュー紹介を増やしておきましたので、よろしかったら週末の神田巡りに使ってください。それにしても、2024年に入っても円安に歯止めがかからず、原材料高は進む一方。水道光熱費の暴騰は続き、閉店ラッシュが止まりませんなあ……

しかし、神田界隈の老舗はとにかくしぶとい。神田という金看板の為せる業なのか、それとも、そばを食いに人が神田へ集まるからなのか、時世を感じさせない「不死身」を感じます。例えば、JR神田駅と秋葉原駅の近くにある「二葉」は昭和41年創業。腰のしっかりした麺、ガツンとくる濃いつゆでおなじみです。そばを食べた実感が確実に得られ、天ぷらの種類も豊富で楽しい。きくらげを置いている点もポイントが高く、何より大盛り無料というところがありがたいです。豪快な盛り付け通り、どちらかと言うとガテンな味なので、冬にこそ食べておきたい一杯だと思います。そして、こういう強烈な個性が神田の路麺店が持つ生命力の源なのかもしれません。

【二葉 神田和泉町店】

東京都千代田区神田和泉町1-4-6 西川ビル１Ｆ

月～土：7:30〜17:00

定休日：日・祝

暗黒汁にゲンコツのような天ぷらを溶かして食べる伝統文化はフォーエバー！平成初期から雑誌でも特集され続けてきた東京ブラックの代表格「天亀そば」！

もちろん「天亀そば」のように、東京ブラックな汁に分厚い衣で固めた天ぷらを沈め、溶かしながら食べる店もあります。店の前には茹で麺であることを示す製麺所の番重。客のほうも塩分濃度高めの暗黒汁をあえて飲みにきている節があります。ここまでくると、味うんぬんより伝統文化。久々に食べたら、柔らかめの麺からゲンコツ感のある天ぷらまで、見事なまでに味は変わっていなかった。もはや生きる化石・シーラカンスのようですらあります。これは冗談抜きに褒め言葉です。結局、神田には個性派が許される土壌があるということでしょう。とにかく、他との違いを示す特長の癖が強いのです。このほかにも、まだまだ強烈な店が生き残っています。こんな選手層の厚さが「街を掘ってみよう」と思わせる神田の魅力なのでしょう。

【天亀そば】

東京都千代田区鍛冶町1-7-9

24時間営業

無休

「豊はる」の「パイカそば」はいつも売り切れ！関東風のソーキそばとも言える逸品との出会いは僥倖で、食べられるのであれば速攻でキープすべし！

さて、週末の超オススメ店は２軒です。仕事で来ることもなくなり、平日に食べる機会が自然と失われ、距離ができてしまうのが立ち食いそば。それでも、この２軒は定期的に食べています。今さらというくらい有名ですが、週末に開いているところがポイント大。路麺店ブームのせいか、つい先日も異様に混んでました。インスタ映えすることもあって、若い女性にも人気なのでびっくりです。

まずはパイカ蕎麦の「豊はる」。豚バラ軟骨を甘く煮込んだものを、そばの上に乗せた逸品は大概の男が惚れてしまう味です。つゆはかえしがまろやかで、かつお出汁の利いたザ東京。例えるなら関東風ソーキそばと言った感じでしょうか。パイカはプルプルで口の中で溶けるほど柔らかく、添えられた紅生姜が実にいい仕事をしています。もちろん、麺も腰があって文句なしです。注意点は客のほとんどがこのメニューを頼むため、売り切れている時間帯が多いことです。では、朝早く行けばいいのかといえば、土曜日は仕込んでいる時が多く、出来上がっていない時もある。なので、巡り会った日が僥倖。その日は食べておいたほうが得策です。

ちなみに、パイカが売り切れている時は素直に肉そば。立ち食いそば業界において、ゲソ天と並ぶ人気メニューになっている肉そばですが、豊はるも「関東風　肉そば」を名乗っているだけあって、文句なしです。ちなみに、この店は天ぷらやコロッケも美味く、近隣にお勤めの常連さんが、面白い組み合わせの食べ方をしているので、次に来た時、真似すると目から鱗です。特に肉そばは自由度が高く、いろいろなアレンジが可能です。そして、先日の私の贅沢はこちらになります。

じゃーん。肉玉＋紅生姜天です。昼からすき焼きをそばの上に乗せて食べている気分で、米ともよく合います。なお、最初に「そば」「うどん」「きしめん」を聞かれますが、平日の昼間に行って、常連さんを観察していると、パイカor肉を食べる場合「きしめん」を選ぶ人が多いようです。すきやきに入れる店があることを考えると美味そうですね（私はそば専門）。

こちらは肉天そば＋紅生姜天。肉そばにかき揚げという組み合わせは強力ですが、個人的には紅生姜天を合わせたいので、結果、こうなってしまいました。これに言葉は不要でしょう。私も癖の強い食べ方をしますが、通い慣れた人は相当ユニークな食べ方をしています。ほかにも店が推奨する常連さん考案のメニューがあったりして面白いと思います。ちなみに、冷やしはプラス100円、大盛りはプラス200円。「牛ばらそば」など、限定メニューも多いので、チャンスがきたら絶対に食べておくことをお勧めします。

【豊はる】

東京都千代田区神田小川町3-11-10 只野ビル 1F

月～金：6:30～18:00 土・祝：6:30～15:30

定休日：日

香り高い「みのがさ」は契約畑のプレミアムの戸隠そば粉を使用！まず食べるなら、神田和泉町店で「げそ天そば」をオススメします!

もう一軒は信州戸隠生蕎麦の「みのがさ 神田和泉町店」です。ここはとにかく腰のある細麺。「契約畑のプレミアムの戸隠そば粉の自社蕎麦」と謳っているだけあって、そばの味がしっかりしており、冷やしで食べた時の喉越しもいい。つゆは出汁香る上品系で、麺の盛り立て役としては文句なしです。

ちなみに、本来の味を邪魔する可能性があるので、こういうふうにトッピングをゴテゴテするのは、あまりお勧めしません。衣をあまり溶かしたくなく、かけそばでも十分納得できるからです。とはいえ、天ぷらは天ぷらでかなりボリュームがあって、絶対に捨てがたい美味さがあります。春菊天を置いていない店が多かった今年もずっと食べられました。衣が野暮ったくなく、揚げ置きしないあたりが美味い店ならでは。なので、別皿でもらうのがベストなのかもしれません。

そして、ほとんどの「みのがさファン」が推すのはこちらでしょう。

げそ天です。柔らかく、香ばしいくらいなので臭みはゼロ。衣でがっちり固められておらず、とにかく軽いのです。日暮里の一由そばを筆頭に、立ち食いそば業界のげそ天は、げそを豪快にぶつ切りにして、デカさを追求する方向にありますが、みのがさは麺とつゆが優しいので、それに合うようなかわいらしい切り方です。それにしても、おっさんは漏れなくげそ天が好きであることを、混んでいる昼時、この店に来ると理解できます。

あと、大人気の肉そばは昼前に売り切れている時がほとんどです。ひねりも何もなく、普通の生姜焼きが乗っている豪快な逸品！要するに生姜焼き丼の「上」が乗っている訳ですが、みのがさの親会社は弁当屋もやっているので、この手の惣菜系メニューは漏れなく美味いです。

こちらは唐揚げそば。同じく昼前に行かないと食べられないと思います。巡り合ったら吉日、お好きな天ぷらをトッピングして「唐揚げ天ぷらそば」とすることを激しく推奨します。春菊天あたりが無難なのではないでしょうか。肉そばには玉ねぎ同士ということで、かき揚げが合うと思いますよ。

なお、私がよく行くのは神田和泉町店です。岩本町の本店（写真右→）は11時からの営業ということもあって、最後にいつ行ったのか思い出せません。また、本店のげそ天は未体験で、聞いた話によると見た目からして違うとのことです。２店の距離は歩いてすぐ。胃袋に余裕があるようなら、いずれ食べ比べたいと思います（痛風です）。

 

【みのがさ 神田和泉町店】

東京都千代田区神田和泉町1-3-2

月～金：6:00〜19:00 土・日：6:00〜16:00

定休日：祝日

これら４軒は徒歩で楽勝で回れます。ちょうどお腹をへらすのによい距離ですし、ご興味のある方は次の土曜日にチャレンジしてみてください

年齢的に３軒４軒あたりが限界ですが、ラーメンと違って、はしごできてしまうのが、立ち食いそばです。それなので、今回は歩いてすべて回れるよう、小川町から和泉町界隈で週末に開いている店に限らせてもらいました。また「かめや」「嵯峨谷」など、近年、広くチェーン展開をしている店は除外したことをご了承ください。「岩本町スタンドそば」をはじめ、暗黒系の有名店は平日のみの営業が多いようなので、後日あらためてですね。

そばは非常に身体に良いですが、天ぷらの衣が溶けたつゆの全部飲みは、健康診断で尿酸値、血圧など、諸々の数字に出るようです。同年配の方はお互い気を付けましょう。では、また次回まで、ごきげんよう。